Pocket

長期滞在したい外国人はどんなビザ(在留資格)変更手続きが必要?

就労や短期、留学などのビザ(在留資格)でこれまで日本で滞在していたけれど、永住したい!日本で仕事につきたい!といった場合にどのような手続きが必要なのでしょうか。

現在3年のビザ(在留資格)で日本に滞在しているが、永住したい

外国人が日本で永住するには、「永住者」のビザ(在留資格)を得る必要があります。永住者のビザ(在留資格)を得るには、そもそも日本に一定期間暮らしていることが前提になります。ですので、永住者のビザ(在留資格)を申請する方は、中長期滞在の何らかのビザ(在留資格)を持っている方ということになります。

永住許可申請とは?

「永住者」のビザ(在留資格)を申請する手続きを「永住許可申請」と言います。気をつけないといけないのは、「永住許可申請」と、現在お持ちのビザ(在留資格)の「在留期間更新許可申請」は全く別物だということです。

これを勘違いしていて「永住許可申請」の審査中に、現在お持ちのビザ(在留資格)の更新期限が過ぎた場合、不法残留となり退去強制の対象となってしまいます。「永住許可申請」の審査には約6ヶ月かかります。「永住許可申請」だけ単体で手続きする場合は現在お持ちのビザ(在留資格)の更新日には十分に注意してください。

永住許可申請はどのように行うのが一番いいの?

ビザ(在留資格)の更新手続きは、更新期限の3ヶ月前から可能です。ですので、一番間違いがないのは「永住許可申請」と、現在お持ちのビザ(在留資格)の「在留期間更新許可申請」の2つの申請を入国管理局に行ったタイミングで同時に行うことです。

同時とはいえ、手続きとしては完全に別物なので、書類もそれぞれの手続き用に別々に必要となります。

提出書類に関して「永住許可申請」と「在留期間更新許可申請」を同時に行う場合は、片方の申請書類はコピーで良い場合があります。

例えば日本人と結婚した外国人が「永住許可申請」と「在留期間更新許可申請」を同時に行う場合、戸籍謄本・住民票等は、「永住許可申請」には原本、「在留期間更新許可申請」にはコピーを添付することが許可されています。ただ、身元保証書類については署名押印した原本をそれぞれに添付する必要があります。

「短期滞在」のビザ(在留資格)から、「日本人の配偶者等」へビザ(在留資格)を変更したい

基本的には短期滞在のビザ(在留資格)からの変更というのは認められません。しかし、間違いのない結婚生活の実態が確認できれば「やむを得ない特別な事情」があると認められ許可される可能性が高いです。

どのような資料が必要なの?

日本人の配偶者等へ在留資格変更許可申請をするには、定められた公的書類に加え、婚姻関係が実態を伴う安定したものである証拠が必要です。これはビザ(在留資格)の受給を目的とした偽装結婚を防止するために行われています。

交際経緯、生活状況などを詳しく説明する文書、スナップ写真、手紙、メール、送金、プレゼントなど、きちんとした交際を経て結婚に至ったことを立証できる資料は全て提出しましょう。

日本にすでに在留している外国人がこのように「日本人の配偶者等」へビザ(在留資格)を変更する場合、入国管理局としては結婚生活の実態があるかどうか調査がしやすいという利点があります。

ですので、外国人が来日時に「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)を取得するよりはハードルが低いと言えるでしょう。

「短期滞在」のビザ(在留資格)から、「技術・人文知識・国際業務等」へビザ(在留資格)を変更したい。就労資格の在留資格認定証明書は交付ずみだ

前述のように、基本的には短期滞在のビザ(在留資格)からの変更というのは認められません。しかしこのパターンにおいても「やむを得ない特別な事情」として在留資格変更許可申請が認められます。

理由としては、通常ルールに則った場合、外国人側と雇用者側の日本人にあまりに不利益が大きいということです。

在留資格認定証明書があればスムーズに変更可能?

外国人を短期滞在のビザ(在留資格)が切れるタイミングで一旦母国に帰国させ、そこから新たに就労資格のビザ(在留資格)の手続きをさせるのは酷です。

また、日本人の雇用者側も、雇うことを決めた外国人が実際にはいつ就労できるかわからないのでは困ってしまいます。ですので、就労資格の在留資格認定証明書をすでに受けている場合に限り、「やむを得ない特別な事情」と判断されるわけです。提出に関わる書類も通常の在留資格変更許可申請に比べて少なくて済みます。

注意点としては、短期滞在のビザ(在留資格)を取得するに当たって、目的を「観光」などとした場合です。この場合、たとえ在留資格認定証明書を手に入れたとしても、入国時の目的を偽ったわけではないと証明する必要がでてきます。

たとえば、観光後に日本の友人知人から自分の能力を見込まれて就労することになった過程などを、証拠資料をもとに合理的に説明する必要があるのです。

留学生だが卒業後の日本での就職が決まった。どのような手続きが必要?

ビザ(在留資格)を「留学」から「技術・人文知識・国際業務」へ変更する必要があります。

大学生の場合

もしあなたが大学生の場合は、就職先はかなり柔軟に選択可能です。これは、「大学における専攻科目と就職先における業務内容の関連性の柔軟な取扱いについて」という通達で示されています。

専門学校生の場合

ただし、あなたが専門学校生だった場合、専攻した内容と就職先の業務内容に強い関連性が求められます。この証明には卒業証明書や成績証明書以外に、講義内容がわかるシラバスや専門学校が発行している留学生用の募集案内などを資料として用います。そして、学んだ内容を就職先でどのように生かすのかを説明する必要があります。

平成23年7月1日より、日本で専門学校を卒業し専門士の認定を受けている外国人が、一旦帰国した後、日本で就労のために来日する場合に「研究」「教育」「技術・人文知識・交際業務」「特定活動」で上陸許可を得、ビザ(在留資格)を申請できるようになりました。

それ以前は大卒のみに認められていましたが、改正されたのです。

不許可になる場合

さて、大学生、専門学校生にかかわらず、ビザ(在留資格)の変更には素行が不良でないことが重要です。

成績不良・欠席率が高い・資格外活動許可を得ずにアルバイトをしていた・風俗営業に従事していた、制限を超えた時間数のアルバイトをしていたなどは、在留資格変更が不許可になる原因となります。

また、留学のビザ(在留資格)申請の際に提出した履歴書と、在留資格変更許可申請の際に提出した履歴書の内容が異なっている場合も不許可になる可能性があります。もし、違っている場合は、その誤りの理由を合理的に説明しなければいけません。

留学生だが卒業後日本で起業する。どのような手続きが必要?

ビザ(在留資格)を「留学」から「経営・管理」へ変更する必要があります。

どうやって資金を得ましたか?

在留資格変更許可申請の際に厳しく審査されるのが「資金をどうやって調達したか」という点です。

「経営・管理」へビザ(在留資格)を変更する際には500万円の資金があるかどうかというのも審査に関わってきます。留学生の場合、アルバイトは28時間/週に制限されているため、制限を超える違法な資格外活動によって得た金銭でないか審査されるわけです。

また、親類友人からの借財によるものであれば、金銭消費貸借契約書のような公式の文書を提出した方が良いでしょう。海外送金の場合は口座の明細など。

とにかく、違法な手段で得た金銭ではないことを証明する必要があります。

Pocket