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外国人を適正にサポートし在留許可へ向けて実務をこなすビザ専門行政書士の私としては、入管側の内部基準も理解しておきたいものです。ここでは、2017年入管内部基準に記されている、在留資格の取消(処分)について詳しく記述します。

第4節 処分等

第1 取消しの可否の決定

1 地方局の長の決定する事案

地方局の長は、本省に進達又は請訓するものを除き、在留資格の取消しの可否を決定する。

なお、正当な理由なく意見聴取に出頭しない次の場合は、原則として、在留資格の取消しを決定するものとする。

(1)在留資格取消対象者に対し、意見聴取通知書の送達(入管法第22条の4第3項ただし書による通知を含む。)後、正当な理由なく指定された期日に出頭しない場合

(2)代理出頭の申出に基づき、代理人からの意見聴取を許可した場合で当該代理人が正当な理由なく出頭に応じない場合

2 進達・請訓範囲

第3編第2章第1節及び第2節を参照。

3 留意事項

(1)取消しの要否については、取消しは行うことが「できる」ものであり、必ず行わなければならないわけではないので、個別の事情を勘案して、取消しを行うか否かを判断することが必要である。

この取消しを行うか否かの判断は、引き続き在留を認めるに足る相当の理由があるか否かによる。

具体的には、例えば、入管法第22条の4第1項第5号から第7号までに該当するものとして意見聴取が行われたものの、他の在留資格に該当する活動を行っていることが判明し、在留資格変更許可申請が行われた場合には許可が見込まれる場合は、引き続き在留を認めるに足りる相当な理由がある場合に該当し、在留資格を取り消すことなく、在留資格変更許可申請を受け付ける。

(注)入管法第22条の4第1項第8号又は第9号に該当する事案のうち、取消対象者が16歳に満たない場合であって、当該取消事由が住居地届出の代理義務者の義務不履行等により発生したものについては、意見聴取通知書を発出することなく終止にするなどして差し支えない。

(2)入管法第22条の5の規定に基づき、入管法第22条の4第1項第7号に該当することが判明して在留資格の取消しをしようとする場合には、対象となる外国人に対して、在留資格の変更許可申請又は永住許可申請の機会を与えるように配慮しなければならない。

したがって、在留資格の取消しをしようとする場合で、配偶者としての活動を行わないで在留していることにつき正当な理由が認められないときは、在留資格変更許可申請又は永住許可申請を行うことができる旨を説明するものとし、説明を行った旨、説明日時及び説明者氏名を適宜の書面に記載して一連記録に編てつする。当該説明を受けた外国人が申請を希望した場合は申請を受理する。

この場合において、第5節第4の規定にかかわらず、在留資格変更許可申請等に係る処分を優先して行う。

第2 措置

地方局の長は、本省入国管理局長から前記第1の2の進達若しくは請訓の結果を受け、又は自ら在留資格の取消しの可否について決定し、在留資格を取り消さないこととしたときは後記1により、在留資格を取り消すこととしたときは後記2のとおり措置する。

1 在留資格を取り消さない場合の措置

(1)意見聴取通知書の送達又は通知後、在留資格を取り消さないこととした場合には、被聴取者又は代理人の出頭を求めて「通知書」(別記第13号の2様式)を交付し、又は郵送により通知する(施行規則第25条の14)とともに、必要な事項をFEISに入力する。

(注)在留資格を取り消さないことの通知を行うことによって、みなし再入国許可の除外事由(施行規則第29条の4)に該当しなくなるほか、入管法第22条の4第1項第1号に該当するもの(入管法第5条第1項第4号、第5号、第7号、第9号又は第9号の2に該当する場合に限る。)として在留資格取消手続が執られた場合は、入管法第5条の2に規定する上陸拒否の特例に係る通知の対象となる(施行規則第4条の2第1項第1号ルに該当)ことから、原則として上陸拒否の特例に係る通知を併せて行う(第6編第2章第2節第10を参照)。

2 在留資格を取り消す場合の措置

在留資格を取り消す場合は、「在留資格取消通知書」(施行規則別記第37号の16様式。ただし、入管法第22条の4第7項本文の規定により期間を指定する場合にあっては別記第37号の17様式。)の送達を行う。送達に関する具体的な手続については第4節の2を参照。

(注)入管法第22条の4第7項ただし書による場合は、同項本文の規定にかかわらず、当該外国人が出国するために必要な期間(以下「出国猶予期間」という。)を指定することなく、退去強制手続をとる。

同項ただし書の「逃亡すると疑うに足りる相当の理由がある場合」とは、在留資格を取り消して出国猶予期間を指定したとしても、当該期間中に任意に出国することなく、当局から故意に行方をくらませて、退去を免れようとすることが疑われ、その疑いを抱くことにつき相当の理由がある場合をいう。その判断に当たっては、当該外国人の生活状況、在留資格に応じた活動を行わなくなった経緯、背後関係の有無、取消事由が発覚した経緯、取消手続中の挙動等の事情を総合的に考慮することとなる。

例えば、技能実習生が実習先から無断で離脱して行方不明になった場合、在留資格取消手続における意見聴取のための呼出しに正当な理由がないのに応じない場合などは、それ自体が逃亡を疑わせる一つの要素になると考えられる。逆に、それまでの日本での生活状況や人間関係、本国の家族とのやり取り等に照らし、逃亡生活を選ぶよりも自ら出国することを選ぶ可能性が高いと客観的に認められる者などは、「逃亡すると疑うに足りる相当の理由がある」とは言い難い場合が多いと考えられる。

(1)在留資格取消通知書の作成
ア 取消しの理由の記載

在留資格取消通知書(施行規則別記第37号の16様式及び同別記第37号の17様式)の「6 取消しの理由」欄への記載は、後記(注)の「取消しの理由の記載例」を参考にして可能な限り具体的にその理由を記載する。

(注)取消しの理由の記載例

① 入管法第22条の4第1項第1号に該当する場合

a 法第5条第1項第4号該当

あなたは、○○年○○月○○日に懲役○年○月執行猶予○年の刑に処せられ、出入国管理及び難民認定法第5条第1項第4号に該当するにもかかわらず、虚偽の記載をした外国人入国記録を提出することにより、△△年△△月△△日、上陸許可の証印(上陸特別許可)を受けていることから、同法第22条の4第1項第1号に該当します。

b 法第5条第1号第5号該当

あなたは、○○年○○月○○日に覚せい剤取締法に違反して、懲役○年○月執行猶予○年の刑に処せられ、出入国管理及び難民認定法第5条第

項第5号に該当するにもかかわらず、虚偽の記載をした外国人入国記録を提出することにより、△△年△△月△△日、上陸許可の証印(上陸特別許可)を受けていることから、同法第22条の4第1項第1号に該当します。

c 法第5条第1項第6号該当

あなたは、覚せい剤取締法に定める覚せい剤を不法に所持し、出入国管理及び難民認定法第5条第1項第6号に該当するにもかかわらず、虚偽の記載をした外国人入国記録を提出することにより、○○年○○月○○日に上陸許可の証印(上陸特別許可)を受けていることから、同法第22条の4第1項第1号に該当します。

d 法第5条第1項第9号

・あなたは、○○年○○月○○日に退去強制され(ており)、出入国管理及び難民認定法第5条第1項第9号ロに該当するにもかかわらず、虚偽の記載をした外国人入国記録を提出することにより、△△年△△月△△日、上陸許可の証印(上陸特別許可)を受けていることから、同法第22条の4第1項第1号に該当します。

あなたは、○○年○○月○○日、出国命令により出国しており、出入国管理及び難民認定法第5条第1項第9号ニに該当するにもかかわらず、虚偽の記載をした外国人入国記録を提出することにより、△△年△△月△△日、上陸許可の証印(上陸特別許可)を受けていることから、同法第22条の4第1項第1号に該当します。

② 入管法第22条の4第1項第2号に該当する場合

あなたは、○○年○○月○○日に行った在留期間更新許可申請(上陸許可申請、在留資格変更許可申請、永住許可申請、在留資格取得許可申請)において、虚偽の内容の書面(具体的な文書名を記載)を提出することにより、△△年△△月△△日、在留期間更新許可(上陸許可の証印、上陸特別許可、在留資格変更許可、永住許可、在留資格取得許可)を受けていることから、出入国管理及び難民認定法第22条の4第1項第2号に該当します。

③ 入管法第22条の4第1項第3号に該当する場合

・あなたは、○○年○○月○○日に行った在留期間更新許可申請(上陸許可申請、在留資格変更許可申請、永住許可申請、在留資格取得許可申請)において、不実の記載のある文書(図面)(具体的な文書名を記載)を提出(提示)することにより、△△年△△月△△日、在留期間更新許可(上陸許可の証印、上陸特別許可、在留資格変更許可、永住許可、在留資格取得許可)を受けていることから、出入国管理及び難民認定法第22条の4第1項第3号に該当します。

・あなたは、○○年○○月○○日に行った在留資格認定証明書交付申請において、不実の記載のある文書(図面)(具体的な文書名を記載)を提出(提示)して在留資格認定証明書の交付を受け、△△年△△月△△日、これを提示することにより上陸許可の証印を受けていることから、出入国管理及び難民認定法第22条の4第1項第3号に該当します。

④ 入管法第22条の4第1項第4号に該当する場合

あなたは、虚偽の内容の書面(具体的な文書名を記載)を提出することにより、○○年○○月○○日、在留特別許可を受けていることから、出入国管理及び難民認定法第22条の4第1項第4号に該当します。

⑤ 入管法第22条の4第1項第5号に該当する場合

a 他の活動を行っている場合

あなたは、○○年○○月○○日に上陸許可を受け、在留資格「留学」をもって在留中ですが、在籍している○○日本語学校に△△年△△月△△日以降全く出席せず、正当な理由がないのに、在留資格「留学」に係る活動を行っていないとともに、●●において△△を行っており、正当な理由がないのに他の活動を行い在留していることから、出入国管理及び難民認定法第22条の4第1項第5号に該当します。

b 他の活動を行おうとしている場合

あなたは、○○年○○月○○日に上陸許可を受け、在留資格「留学」をもって在留中ですが、○○日本語学校を出席不良により△△年△△月△△日付けをもって同校を除籍されて以降、正当な理由がないのに、在留資格「留学」に係る活動を行っていないとともに、仕事のあっせんを受けて△△に転居するなどし、正当な理由がないのに他の活動を行おうとして在留していることから、出入国管理及び難民認定法第22条の4第1項第5号に該当します。

⑥ 入管法第22条の4第1項第6号に該当する場合

・あなたは、○○年○○月○○日に上陸許可を受け、在留資格「留学」をもって在留中ですが、○○日本語学校を出席不良により、△△年△△月△△日付けをもって同校を除籍され、正当な理由がなく、在留資格「○○」に係る活動を継続して3月以上行っていないことから、出入国管理及び難民認定法第22条の4第1項第6号に該当します。

・あなたは、○○年○○月○○日に在留期間更新許可を受け、在留資格「技能実習2号ロ」をもって在留中ですが、実習実施機関から失踪し、△△年△△月△△日付けをもって同機関から失踪報告が提出されており、正当な理由がなく、在留資格「技能実習2号ロ」に係る活動を継続して3月以上行っていないことから、出入国管理及び難民認定法第22条の4第1項第6号に該当します。

⑦ 入管法第22条の4第1項第7号に該当する場合

あなたは、○○年○○月○○日に上陸許可の証印を受け、在留資格「日本人の配偶者等」(「永住者の配偶者等」)をもって在留中ですが、△△年△△月△△日をもって配偶者と離婚しており、正当な理由がなく、在留資格「日本人の配偶者等」(「永住者の配偶者等」)に係る活動を継続して6月以上行っていないことから、出入国管理及び難民認定法第22条の4第1項第7号に該当します。

⑧ 入管法第22条の4第1項第8号に該当する場合

あなたは、上陸許可の証印(上陸特別許可、在留資格変更許可、在留期間更新許可、永住許可、在留資格取得許可、在留特別許可)を受けた○○年○○月○○日から90日以内に、正当な理由がなく、法務大臣に、住居地の届出をしていないことから、出入国管理及び難民認定法第22条の4第1項第8号に該当します。

⑨ 入管法第22条の4第1項第9号に該当する場合

あなたは、法務大臣に届け出た住居地を退去した日から90日以内に、正当な理由がなく、法務大臣に新住居地の届出をしていないことから、出入国管理及び難民認定法第22条の4第1項第9号に該当します。

⑩ 入管法第22条の4第1項第10号に該当する場合

あなたは、○○年○○月○○日に、法務大臣に虚偽の住居地を届け出たので、出入国管理及び難民認定法第22条の4第1項第10号に該当します。

⑪ 出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律(平成28年法律第88号)による改正前の入管法第22条の4第1項第3号に該当する場合

あなたは、○○年○○月○○日に行った在留期間更新許可申請(上陸許可申請、在留資格変更許可申請、永住許可申請、在留資格取得許可申請)において、虚偽の内容の書面(具体的な文書名を記載)を提出することにより、△△年△△月△△日(※平成29年1月1日より前の日を記載)、在留期間更新許可(上陸許可の証印、上陸特別許可、在留資格変更許可、永住許可、在留資格取得許可)を受けていることから、出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律(平成28年法律第88号)による改正前の出入国管理及び難民認定法第22条の4第1項第3号に該当します。

イ 出国期間及び必要と認められる条件の指定(施行規則別記第37号の17様式)

(ア)出国期間の指定

出国期間は、原則として20日間とする。

在留資格取消通知書の「7 出国期間」欄には、送達の方法により、次のとおり期日を指定して記入するとともに、指定した出国期間及び期限をFEISに入力する。

① 送付送達を行う場合

発送の日の翌日から起算して20日目の日として作成し送付する。ただし、離島等、郵送に日数を要することがあらかじめ把握されているときは、郵送に必要な日数を加算する。

(参考)日本郵便のウェブサイトにおいて郵送にかかる日数の目安を調べることができる。

なお、郵便事情等により送達が遅れて完了した場合であって、送達を受けた外国人から遅れて送達が完了したことについて疎明資料の提出があった場合は、実際に送達が完了した日から出国期間を指定した新たな在留資格取消通知書を作成して交付するとともに、FEIS上の送達が完了した日の修正を行う。

② 交付送達を行う場合

交付の日の翌日から起算して20日目の日

③ 公示送達が完了した場合

公示送達の完了日(法務省の掲示場に掲示を始めた日から起算して2週間を経過した日)から起算して20日目の日

(イ) 条件の指定

① 住居の指定

指定住居の記載については、住居の屋号、号室等まで記載する。

② 行動範囲の指定

行動範囲については、指定住居の属する都道府県及び出国予定空海港までの経路を記載し、病院への通院又は渡航文書の手続等の特別な事情があると地方局の長が認めた場合には、それに応じて定めることとする。

例1:東京都及び出国の際の成田国際空港までの順路による通過経路

例2:東京都、神奈川県横浜市所在の○○総合病院へ通院の際の同病院及び同病院までの経路並びに出国の際の成田国際空港までの順路による通過経路

③ 就労活動の制限

本邦において収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動の禁止を条件に付する。

④ その他の条件

前記①から③までのほか、特に必要と認める事項を条件に付する。

⑤ 注意事項の記載

次のとおり記載する。

「付された条件に違反した場合には、出国期間の指定を取り消す場合があります。」

⑥ 公示送達が完了した場合の記載

後記第4節の2第2の4(3)ウ参照。

(2)上陸許可証印等の抹消

ア 送達の完了により在留資格が取り消された者からの出国確認の申請や当該者の出頭等により、当該取消処分が旅券又は在留資格証明書に記載されている在留資格に係るものであることを地方入国管理官署において確認したときは、当該在留資格の証印に取消(CANCELLED)印を押印し、「○○○○年○○月○○日在留資格取消し(通知番号)」と記載の上、処分庁名印又は入国審査官認証印を押印し、在留カードを所持する者については在留カードを返納させる。返納された在留カードについては、穿孔処理をして還付する(在留カードの券面に記載された身分事項が真正なものである場合に限る。)。

(注)中長期在留者で、新規の上陸許可後に在留期間更新許可処分等を受けていないものについては、旅券等にある在留資格の証印に係る措置及び在留カードの返納に係る措置が必要となる。

イ 在留資格取消処分日以降に有効期限を迎える再入国許可を受けている場合には、再入国許可証印に取消(CANCELLED)印を押印する。資格外活動許可を受けている場合にも同様に措置する。

ウ 公示送達以外の方法により送達した場合は、送達の日から14日以内に郵送又は出頭により在留カードを返納する必要がある旨を記載した書面を在留資格取消通知書の送達に併せて送付又は交付する。

(3)取消訴訟の提起に関する事項の教示

在留資格取消通知書を送達する場合(公示送達を除く。)は、第10編第1章第4節第2の11の規定に準じ、取消対象者に対して取消訴訟の提起に関する事項の教示を行う(在留資格取消通知書の送達に併せて送付又は交付する。)。公示送達完了後、出国期間中にある者が出頭等した場合も同様とする。

(4)警備部門への通報

ア 入管法第22条の4第1項第1号若しくは第2号に該当する場合又は同条第7項ただし書による場合に在留資格取消通知書を送達したときは、当該外国人について、「退去強制事由該当容疑者通報書」(別記第14号様式)により警備部門へ通報する。

なお、地方入国管理官署内において取消対象者に対して在留資格取消通知書を出会送達した場合は、通報書と共に入国警備官に当該外国人の身柄を引き渡す。

イ 入管法第22条の4第1項第3号から第10号まで(第5号については同条第7項ただし書による場合を除く。)のいずれかに該当するものとして在留資格取消通知書を送達した者について、前記(1)に規定する出国期間を経過しても当該外国人の出国事実が確認できない場合は、退去強制事由該当容疑者通報書により警備部門へ通報する。

ウ 在留資格を取り消す決定をしたものの、在留資格取消通知書の送達手続が不調又は時間を要する場合(公示送達のための調査を含む。)は、当該外国人について、「在留資格取消決定連絡書」(別記第15号様式)により警備部門へ連絡し、送達手続又は住居地の調査等について必要な協議を行う。(注)前記の場合に限らず、在留資格の取消しの決定に伴う退去強制事由の発生、送達手続又は住居地の調査等について、必要に応じ、関係部門と適宜調整を図る。

第3 条件の変更等

1 在留資格取消通知書に記載された条件の変更

(1)出国期間の変更

出国期間等を指定された当該外国人から出国期間の変更の申出があったときは、出国期間変更の必要性を疎明するに足りる資料を添付させた上で、「条件変更申出書」(別記第16号様式)を提出させる。

出国期間の変更にやむを得ない理由があり、それを相当と認める時は、当初の指定の日から30日を超えない範囲において、変更を許可することができる。

出国期間の変更を許可する場合は、在留資格取消通知書上の出国期間を二重線で抹消し、新たに指定した出国期間を記載の上、地方局の長の印を押印する。ただし、当該外国人が支局又は出張所において出国期間の変更を申し出た場合で、当該申出に緊急の事情があると認められる場合は、電話等により地方局の長の承認を得た上で、地方局の長の印に代えて、支局又は出張所の長の印を押印することにより、出国期間の変更を許可することができる。

なお、出国期間の変更を許可しないときは、当該外国人に対し、その旨を口頭で通知する。また、出国期間の変更を許可した場合は、新たな出国期間をFEISに入力する。

(2)指定住居の変更

出国期間等を指定された外国人から指定住居の変更の申出があったときは、住居変更の必要性を疎明するに足りる書類を添付させた上で、条件変更申出書を提出させる。指定住居の変更に合理的理由があり、それを相当と認めるときは、在留資格取消通知書上の指定住居を2重線で抹消し、新たに指定した住居を記載の上、地方局の長の印を押印するとともに、新たな指定住居をFEISに入力する。

ただし、当該外国人が支局又は出張所において指定住居の変更を申し出た場合で、当該申出に緊急の事情があると認められる場合は、電話等により地方局の長の承認を得た上で、地方局の長の印に代えて、支局又は出張所の長の印を押印することにより、指定住居の変更を認めることができる。

なお、指定住居の変更を認めないときは、当該外国人に対し、その旨を口頭で通知する。

(3)行動範囲の一時拡大

出国期間等を指定された外国人から行動範囲の一時拡大の申出があったときは、旅行の目的、必要性、旅行に要する期間等を疎明するに足りる書類を添付させた上で、条件変更申出書を提出させる。

行動範囲の一時拡大に合理的理由があり、それを相当と認めるときは、在留資格取消通知書の余白又は裏面に「○○月○○日から○○月○○日までの間、○○への行動範囲拡大を認める。」旨を記載し、地方局の長の印を押印するとともに、行動範囲の拡大をFEISに入力する。

なお、当該外国人が支局又は出張所において行動範囲の一時拡大を申し出た場合及び行動範囲の一時拡大を許可しないときの取扱いは、前記(1)に準じる。

2 条件違反が判明した場合の取扱い

(1)地方局の長は、当該外国人が在留資格取消通知書上の条件に違反したことが判明した場合は、出国期間等の指定を取り消すか否かを決定する。

(2)地方局の長は、条件の違反がやむを得ない事情による場合又は軽微な場合を除き、出国期間等の指定を取り消し、在留資格取消通知書に記載された出国期間を2重線で抹消し、出国可能な船舶又は航空機の直近のものがある日を期日として記載の上、地方局の長の印を押印するとともに、出国期間の取消をFEISに入力する。

当該外国人に対し、当該期日までの速やかな出国を求めるとともに、当該期日までに出国しなかったときは、退去強制事由該当容疑者通報書により警備部門へ通報する。

なお、出国期間等の指定の取消権者は、当該外国人の在留資格を取り消した地方局の長である。また、行動範囲や経路の逸脱があった場合でも、その原因が不注意等過失によるもので、逃亡の意思が全くない場合は、取消しを行わない。

(注1)当該外国人が紛失等により在留資格取消通知書を所持していない場合は、従前の通知書を再作成した上で記載の変更を行う。

(注2)FEISへの入力は出国期間の取消しに伴い決定した期日の入力により行う。

第4 出国の確認

1 入国審査官は、出国期間等の条件の指定を受けた外国人が出国確認の申請を行ったときは、在留資格取消通知書に記載された出国期間等の条件を確認した上で、出国確認を行う(後記3の手続を必要としない場合は出国審査ブース限りで処理して差し支えない。)。なお、在留資格取消通知書は回収しない。

(注1)地方局においては、進行管理の一環として、取消処分の対象者の出国事実の有無を随時確認する。

2 入国審査官は、出国期間等の条件の指定を受けた外国人が指定された行動範囲外の出入国港から出国しようとする場合であって、本節第3の1(3)に規定する行動範囲の一時拡大を認められていない者が、既に出国のために出入国港へ出頭し、指定された出国期間内に出国しようとするときは、前記1により出国確認を行う。

3 上陸許可証印等の抹消等

出国確認を行った取消対象者の所持する旅券に記載されている在留資格に係る証印及び再入国許可証印については、旅券上の処理が未了の者については、本節第2の2(2)に従い証印の抹消等を行う。

第5 在留資格取消手続の終止

在留資格取消手続中に以下の事実が判明した場合は、地方局の長へ報告の上、在留資格取消手続を終止とする。

(注1)意見聴取通知書の送達等をした後、在留資格取消事由に該当することを踏まえて、在留申請の許可を決定したとき又は請訓若しくは進達の結果許可すべき旨の通知を受けたときは、在留資格取消手続を終止とすることなく、第1章第4節第2の1の措置(在留資格を取り消さない場合の措置)を行う。

  • 1 単純出国した場合

  • 2 再入国許可(みなし再入国許可を含む。)による出国後、当該許可の有効期間を経過して再入国しなかった場合
  • (注)在外公館における再入国許可の有効期間延長許可の可能性に留意すること。

  • 3 在留期間(入管法第20条第5項(第21条第4項において準用する場合を含む。)の規定により本邦に在留することができる期間を含む。)の満了日を経過した場合
  • 4 退去強制令書が発付された場合
  • 5 入管法第50条の規定による在留を特別に許可された場合
  • 6 死亡又は日本国籍の判明若しくは取得した場合
  • 7 その他地方局の長が意見聴取通知書の送達又は通知前に在留資格取消手続の終止を適当と判断した場合
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