Pocket

入管法改正 特定技能に関する法律全文のまとめ

この記事では、2018年12月に可決した、出入国管理及び難民認定法の法文を分かりやすいようにまとめております(修正案考慮)。

これから外国人の在留制度、入管行政は大きく変わります。早く情報を収取して、人材確保の準備をしましょう。

可決された新しい入管法は、大きく「国側の役割」「受入れ企業の役割」「登録支援機関の役割」について定めております。

なお法律はあくまで基本方針であり、今後詳細は法務省令で具体的に定まっていきます。

(特定技能に関連する過去に書いた記事)

新ビザ(在留資格)「特定技能」-2018年10月閣僚会議の考察

国の役割について

政府は、特定技能の運用に関する基本方針を定め、公表しなければならない

基本方針は下記に関する事項について決めなければなりません。

  • 特定技能制度の意義
  • 人材が必要な産業分野
  • 人材要件
  • 運用事務

なお特定技能外国人が特定地域に集中しないように必要な措置を講ずるよう努めるとあります。

また政府は、改正後2年を経過した時に特定技能制度に関して再検討を加えると定めています。

次に法務大臣の役割です。

法務大臣は、産業分野別運用方針を定め、公表しなければならない

分野別運用方針は下記に関する事項について決めなければなりません。

  • 人材が必要な分野
  • 人材の不足状況(地域も考慮)
  • 人材の基準
  • 外国人受入れの停止措置と再開措置について

つまり、特定産業分野の関係行政機関の長は、人材確保の程度を管理し、新規外国人の受入れについて、停止と再開を検討することになります。(最終判断は法務大臣)

ちなみに、マスコミ等のニュースで下記14業種が決まったと言われておりますが、行政の発言があっただけで、正確には上記の基本方針で決定していきます。ただし、発言があったことは事実なので、下記分野が適用される可能性は十分あると考えていいでしょう。

  • 建設業(※)
  • 造船業(※)
  • 自動車整備業
  • 航空業
  • 宿泊業
  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業
  • 素形材産業
  • 産業機械製造業
  • 電子・電気機器関連産業

※ 特定技能2号ビザ移行分野

次に国の権利です。

出入国在留管理庁長官は、受入れ企業の役員・職員・事業所に対して、下記の権限を有する。

  • 帳簿書類の提出・提示
  • 出頭
  • 立ち入り検査
  • 改善命令

出入国在留管理庁長官は、登録支援機関に対して、下記の権限を有する。

  • 報告や資料の提出を求める
  • 指導及び助言
  • 登録の取り消し

受入れ企業の役割について

受入れ企業は、適切な特定技能雇用契約を締結しなければならない。

特定技能雇用契約には下記を含める必要があります。

  • 活動内容・報酬等など労働関連法に準拠した事項
  • 特定技能期間が満了した外国人の出国に対する措置や適正な在留に関する事項

なお、雇用契約にあたって外国人であることを理由に差別的な扱いはしてはいけないことも明示されています。

次に、

受入れ企業は、特定技能外国人支援計画の適性な実施をしなければならない

この「支援計画の適性な実施」には、業務に関する支援、日常生活に関する支援を含みます。

そして重要なことは、

  • この「支援計画の適性な実施」は、登録支援機関に任せることも、受入れ企業単独ですることも可能です。

ということです。

受入れ企業単独で行う場合には、支援計画の適性な実施が出来ることを要件として入管に認められる必要がありますので、
登録支援機関委託コストか外国人管理コスト、いずれかを選択する必要があります。

次に欠格事由です。

受入れ企業には下記の場合は欠格事由とする

特定技能雇用契約の締結の日から遡って5年以内に、出入国・労働関連の法令違反または不正不当行為をしていないこと。

次に受入れ後の事務手続きです。

また特定技能外国人の受入れ後は、入管への届出も必要な場面が発生します。

受入れ企業は、下記の時には、

  • 新たな特定技能雇用契約の締結
  • 特定技能雇用契約の変更
  • 特定技能雇用契約が終了
  • 特定技能外国人支援計画の変更

下記を出入国在留管理庁長官に届け出なければなりません。

  • 外国人氏名
  • 活動内容
  • 特定技能外国人支援計画の実施状況など

登録支援機関の役割について

個人・法人は、出入国在留管理庁長官の登録を受けて、登録支援機関となる事が出来ます。

そうすることで特定技能支援計画の実施に関する委託契約を、受入れ企業と締結することができます。

この登録は5年ごと更新することを要します。

その登録手続きについては、

登録する為には、下記を出入国在留管理庁長官に申請する

  • 氏名/名称/住所/代表者氏名(法人)
  • 支援業務を行う事務所の所在地
  • 欠格事由に該当しない誓約書
  • その他法務省令で定める事項

なお上記のとおり登録支援機関にも欠格事由があります。

  • 禁錮以上の刑に処せられ、その執行完了から五年を経過しない者
  • 出入国・労働関連法違反により罰金の刑に処せられ、その執行完了から五年を経過しない者
  • その他、暴対法関連、保険法関連などに関する犯罪歴、破産や被後見関連の欠格あり

支援内容については、

登録支援機関の支援事項は詳細は法務省令により決まります。

その支援業務を行ったときは実施状況を出入国在留管理庁長官に届け出なければなりません。

Pocket