ついうっかり在留期限が過ぎてしまった場合の、ビザ申請の対処法を説明します。
概要
在留資格(ビザ)は指定された在留期限を超えた時点で失効し、その外国人は不法滞在となってしまいます。
ビザの更新申請は、在留資格を有する者のみ申請権限があるので、原則は在留期限を超えてしまった場合は、受理されません。
必ず在留期限内にビザ申請をするようにしましょう
しかし万が一、在留期限を超えてしまった場合、受理していただけるのでしょうか。
入管の実務上の運用として、場合によっては受理されております。趣旨は申請人の救済にありますが、法令・規定上の運用ではないため、実態として入国管理局の判断が厳格になったり柔軟になったりします。
過去に救済された外国人も数多く存在します。
なお、この在留期限を超えた後にビザ申請をし、受理してもらうことを「特別受理」といいます。
特別受理の実務上の要件
下記の2点を満たす場合には特別受理が認められます。これは入管内部の審査取扱基準にも記されているので、下記条件を満たせば、認められるでしょう。
- 申請の遅延が天災・事故・疾病等申請人の責めに帰すべからざる事由によるものと認められる場合
- 事案の内容から許可が確実と見込まれる場合
しかしこのようなケースはごくまれだと思います。「ついうっかり忘れていた」というようなケースがほとんどであり、このような場合でも特別受理が認められるか否かが知りたいところだと思います。
うっかりビザ申請を忘れてしまっていた場合
このような場合でも入管は緩やかに特別受理を認めていた時期がありました。しかし現在では厳しくなっております。
遅延の事情その他の情状を資料等を添付して理解を求めることに努める以外にありません。
それでも特別受理されなかった場合は、不法残留者となりますので退去強制手続がとられることになりますが、次の手段として、退去強制手続の中で、現在までの在留状況、在留の必要性等を考慮されて、在留特別許可を受けられることがあります。
つまり特別受理が無理ならば、次の手段として、在留特別許可を目指します。
在留特別許可は、「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」の身分系の在留資格が許可されやすいものですが、就労系の在留資格の者がうっかりビザ申請を忘れていたようなケースでも在留特別許可を受けられることがあります。
特別受理にしても在留特別許可にしても、不法残留日数が短ければ短いほど情状は良いです。在留期限が切れたことに気づいた場合は、速やかに申請が遅れた理由を説明する書類と、その理由を証明する書類を準備し、入管へ出頭することを推奨します。