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監理団体が新しい技能実習制度において監理事業許可を得るためには、外部監査人または指定外部役員を選任しなければなりません。当該ページでは、外部監査人または指定外部役員の「違い」、「なれる者」、「職務内容」について詳細に解説します。

技能実習の受入れの流れと要件について知りたい方は、受入企業向け:新しい外国人技能実習ビザの手続き【概要・流れ・要件】にアクセスしてください。

外部監査人と指定外部役員

外部監査人と指定外部役員の概要

監理事業許可を受けるためには「外部監査人」または「指定外部役員」のいずれかを選任しなければなりません。

法第25条 主務大臣は、第二十三条第一項の許可の申請があった場合において、その申請者が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときでなければ、その許可をしてはならない。
五 監理事業を適切に運営するための次のいずれかの措置を講じていること。
イ 役員が団体監理型実習実施者と主務省令で定める密接な関係を有する者のみにより構成されていないことその他役員の構成が監理事業の適切な運営の確保に支障を及ぼすおそれがないものとすること。
ロ 監事その他法人の業務を監査する者による監査のほか、団体監理型実習実施者と主務省令で定める密接な関係を有しない者であって主務省令で定める要件に適合するものに、主務省令で定めるところにより、役員の監理事業に係る職務の執行の監査を行わせるものとすること。

双方とも、技能実習受け入れ企業に対する監理団体の監理が適切に行われているか否かを監査するものですが、下記のような違いがあります。

  • 「外部監査人」:法人外部から監査する者として、監理団体から選任を受けた者であり、法人・個人のいずれでも外部監査人になることが可能。
  • 「指定外部役員」:法人内部から監査を担当する役員であり、監理団体の外部役員の中から指定を受けた者がなる。

ただし、監理団体や技能実習受け入れ企業と関わりがある者(過去5年以内)は、外部監査人・指定外部役員になることができず(下記参考 ※1)、この制限により、監理団体の近しいところで、選任相手が見つからないことが多いようです。

従って、全く関係のないところから外部監査人を選任するのが最も簡単な方法となります。

行政書士事務所である弊所でも、外部監査人になるための要件の1つである養成講習を受講しており、外部監査人になることが可能です。

料金は、下記のとおりです。

  • ① 交通費    :実費
  • ② 監査料    :5,400円/時間
  • ③ 書類作成料  :10,800円 一律 
  • ④ 日当     :3,240円/時間

(後述しますが、外部監査人は3ヶ月に1回の監理団体各事業所の実地監査、1年に1回の技能実習受入れ企業の実地監査があります。)

監査料とは、監査に要した時間のチャージです。分単位で計算します。

日当とは、監査・休憩時間以外の拘束時間で計算されます(主に移動時間)。分単位で計算し、実時間ではなくgoogleマップをベースとします

その他、監理団体様に対して弊所ができることは、監理事業許可の申請、技能実習計画の認定申請、在留資格申請、技能実習外国人への法的保護講習などがあります。

外部監査人・指定外部役員の職務内容

「外部監査人」

1つは、当該監理団体の監理事業を行う各事業所において、3ヶ月に1回以上の頻度で、下記を行います

  • ① 責任役員及び監理責任者から報告を受ける
  • ② 当該監理団体の各事業所にある設備を確認し、かつ、帳簿書類等を閲覧する
  • ③ ①②の結果を記載した書類を当該監理団体へ提出する

もう1つは、当該監理団体が実施する、技能実習受け入れ企業の実地確認について、1年に1回以上同行し、下記を行います。

  • ① 監理の適正性を確認する
  • ② ①の結果を記載した書類を当該監理団体へ提出する

技能実習法施行規則第30条
6 外部監査は、次に定めるところにより行うものとする。
一 団体監理型実習実施者に対する監査その他の申請者の業務が適正に実施されているかどうかについて、第三項各号に掲げる方法により、監理事業を行う各事業所につき三月に一回以上の頻度で確認し、その結果を記載した書類を申請者に提出すること。
二 団体監理型実習実施者に対する監査が適正に実施されているかどうかについて、申請者が行う第五十二条第一号の規定による監査に監理事業を行う各事業所につき一年に一回以上同行することにより確認し、その結果を記載した書類を申請者に提出すること。

「指定外部役員」

当該監理団体の監理事業を行う各事業所において、3ヶ月に1回以上の頻度で、下記を行います。

  • ① 責任役員及び監理責任者から報告を受ける
  • ② 当該監理団体の各事業所にある設備を確認し、かつ、帳簿書類等を閲覧する
  • ③ ①②の結果を記載した書類を作成する

技能実習法施行規則第30条
3 指定外部役員は、前項に規定する確認を、次に掲げる方法により、監理事業を行う各事業所につき三月に一回以上の頻度で行い、その結果を記載した書類を作成するものとする。
一 責任役員及び監理責任者から報告を受けること。
二 申請者の事業所においてその設備を確認し、及び帳簿書類その他の物件を閲覧すること。

※1 外部監査人・指定外部役員の要件

指定外部役員になれない者

  • ① 過去3年以内に養成講習を受けていない者
  • ② 当該監理団体が過去5年間に監理した技能実習実施企業の、過去5年以内に役員・職員であったもの
  • ③ ②の配偶者または二親等以内の親族
  • ④ 当該監理団体の過去5年以内に構成員・役員・職員であった者
  • ⑤ 当該監理団体が監理していない、他の技能実習実施企業の役員・職員である者
  • ⑥ 他の監理団体の役員・職員である者
  • ⑦ 当該監理団体が契約する外国送出機関の、過去5年以内に役員・職員であった者
  • ⑧ その他、技能実習実施企業の役員・職員・構成員と密接な関係を有する者
  • ⑨ 過去に技能実習に関して不正・不当な行為をはたらいた者

技能実習法施行規則第30条
1 法第二十五条第一項第五号イ(法第三十二条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令で定める密接な関係を有する者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。
一 申請者が実習監理を行う団体監理型実習実施者若しくはその役員若しくは職員であり、又は過去五年以内にこれらの者であった者
二 過去五年以内に申請者が実習監理を行った団体監理型実習実施者の役員若しくは職員であり、又は過去五年以内にこれらの者であった者
三 前二号に規定する者の配偶者又は二親等以内の親族
四 社会生活において密接な関係を有する者であって、指定外部役員による次項に規定する確認の公正が害されるおそれがあると認められるもの
2 申請者は、外部監査の措置を講じないときは、前項に規定する密接な関係を有する者以外の役員(責任役員を除く。)であって次の各号のいずれにも該当するものの中から、団体監理型実習実施者に対する監査その他の申請者の業務が適正に実施されているかの確認を担当する役員を指定するものとする。
一 過去三年以内に外部役員に対する講習として法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定めるものを修了した者であること。
二 次のいずれにも該当しない者であること。
イ 申請者の役員(監理事業に係る業務の適正な執行の指導監督に関する専門的な知識と経験を有する者及び指定外部役員に指定されている者を除く。)若しくは職員又は過去五年以内にこれらの者であった者
ロ 申請者の構成員(申請者が実習監理する団体監理型技能実習の職種に係る事業を営む者に限る。)若しくはその役員若しくは職員又は過去五年以内にこれらの者であった者
ハ 実習実施者(申請者が実習監理を行う団体監理型実習実施者を除く。)又はその役員若しくは職員
ニ 監理団体(申請者を除く。)の役員(監理事業に係る業務の適正な執行の指導監督に関する専門的な知識と経験を有する者及び指定外部役員に指定されている者を除く。)又は職員
ホ 申請者が団体監理型技能実習の申込みの取次ぎを受ける外国の送出機関若しくはその役員若しくは職員又は過去五年以内にこれらの者であった者
ヘ イからホまでに掲げる者のほか、申請者又はその役員、職員若しくは構成員と社会生活において密接な関係を有すること、過去に技能実習に関して不正又は著しく不当な行為を行った者であることその他の事情によりこの項に規定する確認の公正が害されるおそれがあると認められる

外部監査人になれない者

  • ① 過去3年以内に養成講習を受けていない者
  • ② 当該監理団体が過去5年間に監理した技能実習実施企業の、過去5年以内に役員・職員であったもの
  • ③ ②の配偶者または二親等以内の親族
  • ④ 当該監理団体の過去5年以内に構成員・役員・職員であった者
  • ⑤ 当該監理団体が監理していない、他の技能実習実施企業の役員・職員である者
  • ⑥ 他の監理団体の役員・職員である者
  • ⑦ 当該監理団体が契約する外国送出機関の、過去5年以内に役員・職員であった者
  • ⑧ 過去に法令違反等を行い、技能実習計画における欠格事由に該当する者
  • ⑨ その他、技能実習実施企業の役員・職員・構成員と密接な関係を有する者
  • ⑩ 過去に技能実習に関して不正・不当な行為をはたらいた者

技能実習法施行規則第30条
4 法第二十五条第一項第五号ロ(法第三十二条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令で定める密接な関係を有しない者は、次の各号のいずれにも該当しない者とする。
一 第一項第一号から第三号までに掲げる者
二 社会生活において密接な関係を有する者であって、外部監査の公正が害されるおそれがあると認められる者
5 法第二十五条第一項第五号ロ(法第三十二条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令で定める要件は、次の各号のいずれにも該当する者であって外部監査を適切に行う能力を有するものであることとする。
一 過去三年以内に外部監査人に対する講習として法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定めるものを修了した者であること。
二 次のいずれにも該当しない者であること。
イ 申請者の役員若しくは職員又は過去五年以内にこれらの者であった者
ロ 申請者の構成員(申請者が実習監理する団体監理型技能実習の職種に係る事業を営む者に限る。)若しくはその役員若しくは職員又は過去五年以内にこれらの者であった者
ハ 実習実施者(申請者が実習監理を行う団体監理型実習実施者を除く。)又はその役員若しくは職員
ニ 監理団体(申請者を除く。)又はその役員若しくは職員
ホ 申請者が団体監理型技能実習の申込みの取次ぎを受ける外国の送出機関若しくはその役員若しくは職員又は過去五年以内にこれらの者であった者
ヘ 法第二十六条第五号イからニまでのいずれかに該当する者
ト 法人であって、法第二十六条各号のいずれかに該当するもの又はその役員のうちにイからホまでのいずれかに該当する者があるもの
チ イからトまでに掲げる者のほか、申請者又はその役員、職員若しくは構成員と社会生活において密接な関係を有すること、過去に技能実習に関して不正又は著しく不当な行為を行った者であることその他の事情により外部監査の公正が害されるおそれがあると認められる者

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