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「外国人を雇用するために日本に呼びたいけど、在留資格認定証明書って何?」

「結婚した配偶者を日本に呼びたいけど、何をすればいい?」

「早く日本に行って滞在したいのに、なかなか許可されない・・・」

そのような事にならないように、在留資格認定証明書について少し知っていきましょう。

この記事では、在留資格認定証明書の交付申請をする前に知っておくべき4つの基本について解説します。その4つの基本は下記の内容となっていますので、興味のある方はこのまま読み進めてください。

  • 在留資格認定証明書とは
  • なぜ在留資格認定証明書を取得する必要があるのか?
  • ビザ(在留資格)が認定される条件
  • 在留資格認定証明書の交付申請の方法(基本)

また、下記キーワードについても気になった方はこのまま読み進めてください。

  • ビザ(在留資格)とは
  • ビザ(査証)とビザ(在留資格)の違い
  • 在留資格認定証明書が要らない場合

在留資格認定証明書とは

在留資格認定証明書とは、外国人の方が日本に滞在するための在留資格が認められている事、また日本への上陸基準に適合することを証明する書類です。

略称で在留資格認定書と呼ばれたり、英語ではCertificate of Eligibility for a Status of Residence(COE)と呼ばれています。

下記のように日本に居る方が海外の外国人を呼び入れたい場合に使われます。

  • スペイン料理のコックを日本のスペイン料理店で雇いたい
  • 通訳者として外国からスタッフを雇いたい
  • 外国人と結婚したので、配偶者を日本に呼びたい
  • 外国にいる自分の子どもを日本に呼び寄せて一緒に生活したい(家族滞在)

このような「日本に居る方」が「外国人の方」を「日本へ呼ぶ」ためには、先に在留資格認定証明書の交付申請をする方法が最も良い方法です。

ビザ(在留資格)とは

そもそもビザ(在留資格)とは何かが分からない方は、在留資格の手続きについて知るべき最も基本的な3つの事-在留資格とはをご確認ください。

ビザ(在留資格)についてもっと詳しく知りたい方は、日本の在留資格・ビザについての全27種類とその内容をご確認ください。

ビザ(査証)とビザ(在留資格)の違いが分からない方は、在留資格の手続きについて知るべき最も基本的な3つの事-日本への入国(上陸)の流れをご確認ください。

在留資格認定証明書の具体的な使い方

在留資格認定証明書は前述のとおり、日本に居る方が海外から外国人を呼ぶために使われます。

具体的な使い方は下記の通りとなります。

在留資格認定証明書の交付を申請する
・申請者は、日本にいる方(配偶者・雇用主・知人)

無事に証明書が交付されたら・・・

在留資格認定証明書を海外にいる外国人に送付
海外の日本公館にて在留資格認定証明書を提示してビザを申請する
・在留資格認定証明書の有効期限が3ヵ月なので、それまでにする必要がある

無事にビザが交付されたら・・・

日本入国時に、在留資格認定証明書とビザを提示して上陸許可を受ける
・これも在留資格認定証明書の有効期限3ヵ月以内にする必要がある

 

在留資格認定証明書の有効期限

在留資格認定証明書の交付日から3か月以内です。

それまでに上陸審査を受けないと証明書の効力を失います。

なぜ在留資格認定証明書を取得する必要があるのか?

外国人が日本に入国するために、在留資格認定証明書は必ず必要なものではありません。

外国人が日本に入国する「通常の流れ」は、外国人が海外でビザを取得した後に日本に移動し、日本で入国審査を受けて在留資格が認定される流れとなります。(日本へ入国する通常の流れについてはビザ(在留資格)の手続きについて知るべき最も基本的な3つの事をご確認ください。)

しかしその方法では非常に多くの時間がかかってしまいます。

そこでもう一つの方法として、日本で先に在留資格認定証明書を交付してもらい、その後に海外でビザを取得するという方法が最も早く、そして大部分の方がこの方法で入国しています。

これから「ビザ→在留資格」の方法と「在留資格→ビザ」の方法の違いと優劣について少し詳しくお話します。そこまで詳しくは知る必要ないという方は飛ばしていただいてもかまいません。

「ビザ→在留資格」(通常の流れ)と「在留資格→ビザ」の違い

先にビザを取得する流れと、先に在留資格認定証明書を取得する流れの違いを解説して、その中で、メリットとデメリットについても述べさせていただきます。

結論を先取りさせて頂きますと、下記のようなメリットとデメリットになります。

  「ビザ→在留資格」 「在留資格→ビザ」
確実性 ×
期間 ×
コスト

「ビザ→在留資格」(通常の流れ)の場合

通常の流れである「ビザ→在留資格」の場合、ビザを取得するまでの具体的な流れは下記の通りとなります。

外国人本人が在外公館でビザ申請(在外公館とは海外にある日本大使館や領事館の事)
在外公館が審査
外務省が審査
入国管理局(法務省)が審査
外務省に引渡し
在外公館に引渡し
外国人本人にビザ交付

このように非常に回りくどい流れとなっており、しかも書類不備などがあれば一からやり直しです。

なぜこんな事するのかというと、現在の行政の管轄がこうなっているとしか言えないのが実情です。

日本に不利益をもたらすような外国人を日本に入国させないために、外国人本人の国籍や出入国の履歴や前科などを審査します。しかし、海外にある在外公館だけでは判断がつかないことも多々あり、多くが外務省に移管され、その中でも管轄が入国管理局となっている部分についてはさらに移管されます。

もちろんその外国人の事情と申請の仕方にもよりますが、ビザを取得するまでに数か月かかるという事も多々あります。

そのような理由で期間に×印を付けました。

では確実性とは何のことでしょうか?

ビザというのはあくまで、日本の空港や海港まで行ける切符であって、日本に在留(滞在)する事を認められた証明書ではありません。在留を認められるためには、日本の空港に到着した後に入国審査を受けて在留資格を付与されなければなりません。

このように二重チェックを受けるわけですが、ビザで日本まで来たのに入国審査で落とされるという最悪な事態もあります。従って確実性も×です。

コストについては、次でお話します。

「在留資格→ビザ」の場合

「在留資格→ビザ」というのは、先に在留資格認定証明書を交付されてからビザを申請することですが、その場合のビザを取得するまでの具体的な流れは下記のとおりになります。

外国人の代理人が日本の入国管理局に在留資格認定証明書の交付申請をする。(この申請は日本で手続きしなければならないので、外国人の親族や雇用主がする)
日本の入国管理局が審査
外国人の代理人に在留資格認定証明書を交付
代理人が外国人本人に在留資格認定証明書を送付
外国人本人が海外の在外公館でビザを申請
在外公館で審査
外国人本人がビザを取得

このように「在留資格→ビザ」の方法と比べると、公的機関の中で書類が行ったり来たりすることが少なくなります。そして在外公館からすれば、日本の入国管理局に認められた在留資格認定証明書があればビザを安心して出せるという事になります。

期間は、在留資格認定証明書の交付が1~3ヵ月かかり、ビザ交付が3~7日程度必要です。

そして確実性についてですが、外国人本人が日本の空港に到着したときには、ビザと在留資格認定証明書を持っていることになります。それを上陸審査時に見てもらえば、ほぼ確実にクリアできるということになります。

日本に行こうとする外国人は、予定があって日本に来る方がほとんどですから、なかなかビザがおりない、ビザが下りても不確実という事は重大なデメリットだと思います。反面、在留資格認定証明書を取得するということは非常に大きなメリットがあるとご理解いただけると思います。

唯一デメリットを上げるとしたらコストです。

在留資格認定証明書の申請をひとりでする場合に関しては、手数料はかかりません。しかし、申請の仕方によって交付までの期間が長くなったり、手続きが膨大で時間がとられてしまうので、弁護士や行政書士に依頼する方が多いのが現状です。その費用を加味して、コストは△としました。

在留資格認定証明書がいらない場合

日本に短期滞在を希望する場合は在留資格認定証明書は不要です。

日本入国を希望する外国人が、直接海外の日本大使館・領事館で「短期滞在ビザ」の申請をしてください。

在留資格認定証明書とは

ビザ(在留資格)が認定される条件

ビザ(在留資格)には上陸許可基準というものがあり、簡単に言えばその外国人が取得したい在留資格の認定条件というものです。

例えば、ビザ(在留資格)の一つとして「日本人の配偶者等」というものがありますが、日本人と結婚もしていないのにこの在留資格は認められない事はご理解いただけると思います。

詳細は、日本の在留資格・ビザについての全27種類とその内容-在留資格が認定される条件-上陸許可基準をご確認ください。

在留資格認定証明書の交付申請の方法(基本)

在留資格認定証明書の交付申請の方法について基本的な事項を解説します。

在留資格認定証明書交付申請の申請者・交付までの期間・申請先・手数料・必要書類
について知りたい方は読み進めてください。

在留資格認定証明書交付申請の申請者

1.外国人本人
2.代理人
3.申請取次者(本人や代理人が日本に滞在している場合に限られる)
  • 本人から依頼を受け、本人や代理人の代わりに申請を提出できる者です。
  • 申請取次者は、外国人本人の法定代理人・弁護士・行政書士・特定の公益法人職員です。
  • 法定代理人とは、外国人本人が未成年なら、その親。被補助人なら補助人です。
  • 特定の公益法人職員とは、外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員で地方入国管理局長が適当と認めるものです。
  • 弁護士と行政書士は申請を取り次ぐ事が出来る資格を有するもののみです。

在留資格認定証明書の交付までの期間

標準処理期間は1か月~3か月です。

在留資格認定証明書交付申請の申請先

外国人が住む予定の場所、受入機関、親族の所在地を管轄する地方入国管理局。

入国管理局のHP-組織・機構-にて地図から検索できますので、そちらで「管轄又は分担区域」をご確認ください。

在留資格認定証明書交付申請の手数料

必要ございません。

在留資格認定証明書交付申請の必要書類

日本での活動内容に応じた資料を提出する必要があります。

日本での活動内容に応じた資料は、在留資格の種類によって場合分けされています。

詳しくは、法務省のHP-日本での活動内容に応じた資料【在留資格認定証明書交付申請】-から、各在留資格に従ってご確認ください。

また、法務局HP-在留資格認定証明書交付申請-から、申請書様式のダウンロードができます。

申請方法

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