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この記事では、企業内転勤ビザの在留資格認定証明書交付申請に係る必要書類と記入例・記入の注意点について解説します。

企業内転勤ビザに該当するために条件については、在留資格認定証明書や在留期間更新の一般要件と、企業内転勤ビザを取得するための条件をご確認ください。

企業内転勤ビザの在留資格認定証明書に係る必要書類

企業内転勤ビザの在留資格認定証明書交付を申請する場合の入管への立証資料(提出資料)については、以下のように、申請人の所属機関に応じて、カテゴリー1~4に区分されて定められています。

カテゴリーの数字が小さい方が、規模や性質等により信頼性のある機関とされ、提出書類の量も少ない傾向にあります。

では、それぞれのカテゴリーごとに、必要書類について解説したいと思います。

カテゴリー1

カテゴリー1に該当する申請人の所属機関の範囲

申請人が所属する下記の機関がカテゴリー1に分類されます。

  1. 日本の証券取引所に上場している企業
  2. 保険業を営む相互会社
  3. 日本又は外国の国、地方公共団体
  4. 独立行政法人
  5. 特殊法人・認可法人
  6. 日本の国または地方公共団体認可の公益法人
  7. 法人税法別表第1に掲げる公共法人

カテゴリー1の必要書類

在留資格認定証明書交付申請書【1通】

→申請人等作成用1・2L、所属機関等作成用1L

●上記カテゴリーに該当することを証明する文書【適宜】
  1. 四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文言(写し)
  2. 主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)

カテゴリー2

カテゴリー2に該当する申請人の所属機関の範囲

申請人が所属する下記の機関がカテゴリー2に分類されます。

  1. 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,500万円以上ある団体・個人

カテゴリー2の必要書類

在留資格認定証明書交付申請書【1通】

→申請人等作成用1・2L、所属機関等作成用1L

●上記カテゴリーに該当することを証明する文書【適宜】

前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調言合計表(受付印のあるものの写し)

カテゴリー3

カテゴリー3に該当する申請人の所属機関の範囲

申請人が所属する下記の機関がカテゴリー3に分類されます。

  1. 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調害合計表が提出された団体・個人で、カテゴリー2を除く機関

カテゴリー3の必要書類

在留資格認定証明書交付申請書【1通】

→申請人等作成用1・2L、所属機関等作成用1L

●上記カテゴリーに該当することを証明する文書【適宜】

前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調言合計表(受付印のあるものの写し)

●申請人の活動の内容等を明らかにする次のいずれかの資料
1.転勤元と転勤先の法人が同じ転勤の場合
  • 転勤命令書の写し【1通】
  • 辞令等の写し【1通】
2.転勤元と転勤先の法人が異なる転勤・出向の場合
  • 労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条に基づき、労働者に交付される労働条件を明示する文書【1通】

契約の当事者となるのは、原則、申請人となる外国人本人と本邦の公私機関である必要があります。但し、一定の場合には、外国の公私機関と本邦の公私期間が契約当事者となることも認められます。詳細については後述します。

3.労働者に該当しない役員等が転勤・出向する場合
  • 役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録(報酬委員会が設置されている会社にあっては同委員会の議事録) の写し【1通】
  • 地位・担当業務・期間・報酬額を明らかにする所属団体の文書【1通】(会社以外の団体の場合)
●転勤前と転勤後の各事業所の関係を示す次のいずれかの資料
1.転勤元と転勤先の法人が同じ転勤・出向の場合

外国法人の支店の登記事項証明書等、当該法人が日本に事業所を有することを明らかにする資料【1通】

2.転勤前と異なる法人である日本法人への転勤・出向の場合

当該日本法人と出向元の外国法人との出資関係を明らかにする資料【1通】

3.転勤前と異なる法人であって、日本に事務所を有する外国法人への出向の場合
  • 当該外国法人の支店の登記事項証明書等、当該外国法人が日本に事務所を有することを明らかにする資料【1通】
  • 当該外国法人と出向元の法人との資本関係を明らかにする資料【1通】
●申請人の職歴を証明する文書
1.関連する業務に従事した機関・内容・期間を明示した履歴書【1通】

履歴書の作成についての注意点は後述します。

2.過去1年間に従事した業務内容及び地位、報酬を明示した転勤の直前に勤務した外国の機関の文書【1通】

→転勤直前1年以内に申請人が企業内転勤ビザをもって日本に在留していた期間がある場合には、当該期間に勤務していた日本の機関を含みます。

●事業内容を明らかにする次のいずれかの資料

1.勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書【1通】

2.その他の勤務先等の作成した上記1.に準ずる文書【1通】

3.登記事項証明書【1通】

●直近の年度の決算文書の写し【1通】

カテゴリー4

カテゴリー4に該当する申請人の所属機関の範囲

申請人が所属する下記の機関がカテゴリー4に分類されます。

  1. カテゴリー1,2,3のいずれにも該当しない団体・個人

カテゴリー4の必要書類

在留資格認定証明書交付申請書【1通】

→申請人等作成用1・2L、所属機関等作成用1L

●上記カテゴリーに該当することを証明する文書【適宜】

前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調言合計表(受付印のあるものの写し)

●申請人の活動の内容等を明らかにする次のいずれかの資料
1.転勤元と転勤先の法人が同じ転勤の場合
  • 転勤命令書の写し【1通】
  • 辞令等の写し【1通】
2.転勤元と転勤先の法人が異なる転勤の場合
  • 労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条に基づき、労働者に交付される労働条件を明示する文書【1通】

契約の当事者となるのは、原則、申請人となる外国人本人と本邦の公私機関である必要があります。但し、一定の場合には、外国の公私機関と本邦の公私期間が契約当事者となることも認められます。詳細については後述します。

3.労働者に該当しない役員等が転勤する場合
  • 役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録(報酬委員会が設置されている会社にあっては同委員会の議事録) の写し【1通】
  • 地位・担当業務・期間・報酬額を明らかにする所属団体の文書【1通】(会社以外の団体の場合)
●転勤前と転勤後の各事業所の関係を示す次のいずれかの資料
1.同一法人内の転勤の場合

外国法人の支店の登記事項証明書等、当該法人が日本に事業所を有することを明らかにする資料【1通】

2.転勤前と異なる法人である日本法人への出向の場合

当該日本法人と出向元の外国法人との出資関係を明らかにする資料【1通】

3.転勤前と異なる法人であって、日本に事務所を有する外国法人への出向の場合
  • 当該外国法人の支店の登記事項証明書等、当該外国法人が日本に事務所を有することを明らかにする資料【1通】
  • 当該外国法人と出向元の法人との資本関係を明らかにする資料【1通】
●申請人の職歴を証明する文書
1.関連する業務に従事した機関・内容・期間を明示した履歴書【1通】

履歴書の作成についての注意点は後述します。

2.過去1年間に従事した業務内容及び地位、報酬を明示した転勤の直前に勤務した外国の機関の文書【1通】

→転勤直前1年以内に申請人が企業内転勤ビザをもって日本に在留していた期間がある場合には、当該期間に勤務していた日本の機関を含みます。

●事業内容を明らかにする次のいずれかの資料

1.勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書【1通】

2.その他の勤務先等の作成した上記1.に準ずる文書【1通】

3.登記事項証明書【1通】

直近の年度の決算文書の写し(新規事業の場合は事業計画書)【1通】

 

●前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする次のいずれかの資料
1.源泉徴収の免除を受ける機関の場合
  • 外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料【1通】
2.上記1.を除く機関の場合
  • 給与支払事務所等の開設届出書の写し【1通】
  • 次のいずれかの資料
    • 直近3か月分の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(領収日付印のあるものの写し)【1通】
    • 納期の特例を受けている場合は、その承認を受けていることを明らかにする資料【1通】

その他提出すべき書類

入管法上の要件ではありませんが、次の書類についてもぜひとも提出すべきです。もちろん入管法上の要件とはなっていないので、これらの書類がなければ受理されない・不許可となるわけではありません。

しかしこれらの書類の提出は、プラスになるポイントをアピールし、また、マイナスになるポイントを隠すのではなくフォローすることにより、不許可となる可能性を極力下げ、さらに好条件な在留期間を得るために重要なものとなります。

  • 転勤理由書
  • 申請人本人の申請理由書

その他必要書類における注意点

労働契約書の当事者が、外国の公私機関と本邦の公私機関の場合

契約書の外形上の契約当事者が「外国の公私の機関」と「本邦の公私の機関」となっている場合でも、当該契約書に下記の事項が盛り込まれていれば、「外国人本人」と「本邦の公私の機関」との間に労働契約が成立しているものとして扱われます。

  • 我が国に入国する者として当該外国人が特定されていること。
  • 当該外国人の使用者たる本邦の公私の機関が特定されていること。
  • 本邦の公私の機関が当該外国人と「労働契約を締結する」旨明示されていること。
  • 当該外国人の労働条件として,労働基準法施行規則第5条第1項第1号から4号に定める事項が明示されていること。
  • 本邦の公私の機関が我が国の労働基準法を遵守する旨明示されていること。
  • 本邦の公私の機関が当該外国人に対し賃金を直接支払う旨明示されていること。

履歴書の作成について

履歴書の用紙については特に指定はありません。

学歴については、小学校から年代順に記載し、中学または高校までは卒業年月のみを記載し、専門学校・短大・大学は入学年月・卒業年月、学部・学科・専攻科目等も記載します。

職歴については、入社及び退社の年月を詳しく正確に記入することが必要です。担当した部署・業務内容も必ず記載し、添付された職歴証明書等と内容の不一致がないようにしましょう。

また、アルバイトでも長期にわたっているものは職歴とみなし記入しましょう。

特に専門学校以下の学歴の場合は、外国人が日本で就職するためには一定期間の職歴がなければ基準省令の条件に該当しないので、以前の職歴と今回就職を希望している職種とが内容的に一貫性があるか否かが、在留資格の許否の判断に大きく影響します。

また、市販の履歴書を使用する場合は、免許・資格・特技について記載する項目があることが多いです。

これについては、職務内容と関連性があれば入国管理局の審査においても有利となりますが、できれば国家資格や公認されている検定試験等が望ましいです。

また、資格証明の写しを申請時に必ず提出しましょう。

企業内転勤ビザの在留資格認定証明書に係る記入例

記入例

 

記入の注意点

申請人等作成用

 申請先

申請書を提出する地方入国管理局名を記載します。支局・出張所の場合は、管轄する地方入国管理局名を記載します。

 写真

  • 下記図画面の各寸法を満たしたもので、無帽で正面を向いたもの。
  • 背景(影を含む。)がないもの
  • 鮮明であるもの
  • 提出の日から3か月以内に撤影されたもの(特に以前に提出したことのある写真の場合はほとんど受け付けてもらえません。)

1. 国籍・地域

現在有している国籍名を記載します。下記に国籍・地域別の注意点を記載します。

  • 台湾のパスポート所持者・発行予定者:「台湾」と記載
  • 香港SARパスポート所持者・発行予定者:「中国(香港)」と記載
  • パレスチナ自治政府が発行するパスポート所持者・発行予定者:「パレスチナ」と記載
  • マカオSARパスポート所持者・発行予定者:「中国(マカオ)」と記載
  • 英国海外市民パスポート(BNOパスポート)所持者:「英国(香港)」と記載
  • パスポート国籍欄に「British」と記載されており、英国属領市民の身分を有している者:「英国(属領名)」と記載。(例:「英国(バミューダ)」)
  • 重国籍者:入国時に使用する予定のパスポートの国名・地域名を記載し、国籍欄の余白に他の国籍・地域を付記。

3. 氏名

申請本人が旅券を所持している場合は旅券に記載されているローマ字氏名を記入。旅券を取得していない場合は、本国の公的機関が発行した立証資料のローマ字氏名を記載します。

4. 生年月日

西暦で記載します。

5. 出生地

国名から始まり、都市名まで記載します。

7. 職業

入国前の職業を記載します。

8. 本国における居住地

国名から始まり、都市名まで記載します。

9.日本における連絡先

招聘機関の所在地、電話番号、招聘機関担当者の携帯電話番号を記載します。

10. 旅券

申請中の場合は、番号の欄に「申請中」と記載します。

12. 入国予定年月日

申請段階における予定日を記載します。

13. 上陸予定港

申請段階における予定港を記載します。

あくまでも予定なので、実際に他の空港であっても構いません。

14. 滞在予定期間

申請段階における予定を記載します。特に決まっていない場合は、その旨を記載します。

15. 同伴者の有無

申請段階における予定を記載します。

16. 査証申請予定地

申請予定の大使館・領事館等のある国名から都市名までを記載します。

17. 過去の出入国歴

回数はパスポート等を確認して出来るだけ正確に記載してください。但しわからない場合は、「約○回」「○回以上」のように記載してください。

20. 在日親族及び配偶者

申請時に既に日本に滞在している親族や、親族以外の同居予定者がいる場合に記載します。

いない場合は「なし」と記載してください。

21. 勤務先又は活動先

(1)名称、支店・事業所

日本における転勤・出向先の名称を記載します。

(2)所在地

申請する外国人の方が実際に勤務する支店・事業所の所在地を記載します。

(3)電話番号

申請する外国人の方が実際に勤務する場所の電話番号を記載します。

22. 派遣元会社若しくは団体又は契約を締結している報道機関

所在地については、派遣元の番地までを記載します。

23. 派遣元会社又は団体と勤務先との関係

派遣先から見た派遣元の関係を記載します。

24. 職歴

職歴が多く、書ききれない場合は、別紙に記載して添付し、省略しないようにしてください。

25. 申請人、法定代理人、法7条2項に規定する代理人

実際に提出する人物について記載します。招聘機関の職員の場合は、招聘機関の所在地、電話番号を記載します。

 署名

25.に記載した人物が自筆で署名します。年月日については申請書に記載した日を記載します。

 取次者

記入例には、当事務所である「大阪市中央区の行政書士ロイヤル総合事務所」がビザ申請を取り次ぐ場面を想定して記載しています。

申請者本人または代理人が直接申請書を提出する場合にはこの欄の記載は不要です。

所属機関等作成用

1. 雇用又は招へいする外国人の氏名

申請人等作成用に記載した外国人の氏名を記載します。

2. 勤務先又は活動先

(1)名称、支店・事業所

名称については、申請人が勤務する転勤先・出向先について記載します。

支店・事業所については、申請する外国人の方が実際に勤務する場所を記載します。

(3)所在地、電話番号

申請する外国人の方が実際に勤務する支店・事業所の所在地と電話番号を記載します。

(6)従業員数

外国人も非常勤職員も含む数を記載します。

(7)外国人職員数

非常勤職員を含む数を記載します。

3. 給与・報酬

税引き前の支払予定金額を記載します。

ここでいう「報酬」は、役務の給付の対価であり、通勤手当・住宅手当などの実費弁償は含みません。また、扶養手当についても「報酬」に含めないこととされています。

また退職金・結婚祝金・見舞金・現物給付としての住宅・食事等・制服・旅費等については、その実質が見舞金・恩恵的・福利厚生的なものは「報酬」に含まれませんが、労働協約・就業規則・労働契約等で支給条件が明らかなものは「報酬」に含まれます。

4. 派遣・就労予定期間

申請段階における予定を記載します。特に決まっていない場合は、その旨を記載します。

5. 職務上の地位

申請人の職名・役職名を記載します。

7. 派遣元会社若しくは団体又は契約を締結している報道機関

派遣元の名称と所在地について記載します。所在地については番地まで記載します。

 署名

原則は、申請人が所属する所属機関の代表者の氏名の記名と、法人又は法人の代表権を有する職員の(法人名が記載されている)名義印を押印します。私印は認められません。

ただし、上場企業又はそれに相当の規模を有する機関の場合で、事業部・人事部等が当該外国人の入国・在留手続を担当しているときは、当該部長等の氏名の記名及び法人又は当該職員の((法人名が記載されている)名義印でも認められます。

教育機関については、学長・学部長等の氏名の記名及び教育機関名義又は当該職員の(教育機関名が記載されている)名義印を押印し、私印は認められません。

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