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2017年入管内部基準に記載されている、ビザ審査における「報酬とは」「常勤の職員とは」「労働者派遣の留意点」について記載します。

報酬

下記のビザの場合、「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」や「月額20万円以上の報酬」という要件があります。

  • 経営管理
  • 研究
  • 教育
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 企業内転勤
  • 興行
  • 技能
  • 技能実習1号
  • 技能実習2号
  • 興行

これらの要件としての”報酬”とはいったい何を指すのかについて解説します。

まず 報酬は、賞与等を含めた1年間の報酬総額を12分の1したもの、つまり月額で判断されます。

そして、報酬には、役務の対価としての報酬のみを含み、通勤手当、扶養手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するものは含みません。

課税対象となるかどうかが報酬に含まれるかどうかの見極めとなります。

次に、「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上」ということについては、画一的に決められません。

つまり個々の企業の賃金体系をベースに、日本人と同等額以上であるかを判断されます。個々の企業での判断が難しい場合には、他の企業の同職種の賃金を参考にして判断されます。

外国人が大卒ならその企業の日本人大卒者の賃金を参考に、また専門職、研究職であればその企業の日本人専門職、研究職の賃金を参考にすることになります。

常勤の職員

下記のビザの場合、「常勤の職員」に関する要件が定められています。

  • 経営管理
  • 興行
  • 留学
  • 技能実習1号
  • 技能実習2号

ここでの”常勤の職員”とはいったい何を指すのかについて解説します。

常勤の職員とは

常勤の職員とは、休日を除き、毎日所定時間勤務することを原則とします。

この点、勤務待遇面からみて、下記を鑑みてパートタイマーと区別されます。

労働時間

下記をすべて満たせば常勤の職員として認められます。(労働基準法第39条、同法施行規則第24条の3)

  • 労働日数が週5日以上
  • 労働日数が年間217日以上
  • 週労働時間が30時間以上

有給休暇

入社日から6か月間の中、全労働日の8割以上出勤した職員に対し、10日以上の年次有給休暇を与えられる場合は常勤の職員として認められます。

雇用保険

雇用保険の被保険者であることが常勤の職員として認められる要件です。ただし、「短期雇用特例被保険者」・「日雇労働被保険者」は除きます。

雇用形態

雇用形態には下記のかたちがあります。

  • 直接雇用
  • 移籍出向
  • 在籍出向
  • 請負
  • 派遣

これらのうち、「在籍出向」「派遣」「請負」の場合は、業務に従事している事業所での常勤の職員とは認められません。

出向

出向については、労働契約上の使用者を離れて第三者の使用者の下で業務に従事することをいいますが、「在籍出向」とは労働契約上は元の使用者のままであり籍を残す出向であり、「移籍出向」は労働契約の当事者が新使用者へ移し、元の使用者の側では籍を残さないものです。一般的には「出向」といえば「在籍出向」を意味し、「転属・転籍」といえば「移籍出向」を意味します。

在籍出向の場合は、出向先と出向元の双方に労働契約関係を有することとなり、出向先における「常勤の職員」とすることは認められません。

移籍出向の場合は、出向元との労働契約を解消して出向先との間に労働契約を成立させるものであり、従業員としての地位が出向先に移転し、一般的に復帰は予定されていないことから、労働者の合意はあくまでも当該労働者による個別的な同意があってのみ認められます。従って労働者は出庫先における「常勤の職員」とすることが相当であるとされています。

請負

請負の場合は、契約関係は希薄であることから労働者を請負先の「常勤の職員」とすることは不適切とされています。ただし、企業間の1年以上の長期請負契約に基づいて、注文主の側でフルタイムで業務に従事する場合は「常勤の職員」と見る場合があります。これは、建設業・造船業に多く見られる請負契約の重層的な産業構造等の例外です。

派遣

派遣の場合は、使用者の元を離れて一定期間派遣先で業務に従事するものですが、派遣先と労働者の間には雇用関係は存在しないので、当該労働者を派遣先の「常勤の職員」とすることは不適切とされています。

労働者派遣についての留意点

「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に基づき労働者派遣事業を営む企業等へ派遣労働者として就職する者の取扱いについては、注意点があります。

在留審査の取り扱い

活動内容

申請人が本邦において行おうとする活動は、派遣先において従事しようとする活動に基づき、在留資格該当性を判断する。

活動の継続性

派遣労働者には、常用型派遣と登録型派遣がありますが、原則は常用型派遣であることが求められます。

ただし、登録型派遣であっても、許可する在留期間内に派遣元との雇用契約に基づき、特定された派遣先において許可する在留資格に係る活動を行うことが見込まれる場合は、登録型派遣であっても差し支えありません。

カテゴリー区分

就労の在留資格においては、雇用される機関に応じた提出資料がカテゴリーごとに区分されていますが、派遣労働者についても、雇用契約を締結している機関に基づき提出資料を求めることとします。

派遣法概要

労働者派遣とは

直接雇用する労働者を、自社とは異なる機関である派遣先の指揮命令を受け、その派遣先のために労働に従事させることをいいます。このうち、派遣労働者を派遣先に雇用させることを約束してするものは含みません。

派遣に係る法的制限

派遣期間

派遣先への派遣期間は原則1年で、最長3年です。(派遣法第40条の2第2項第2号)

ただし、労働者の代表の意見を聴取した上で、さらに3年まで延長することが可能です。(同条第3項)。労働者の代表とは、過半数により組織され労働組合・過半数により選任された代表者を指します。

なお、この期間は、同一業務について通算されます。期間を超えて同一の業務を継続する場合、派遣労働者を直接雇用しなければならないこととされています。(同法第40条の3から5まで)。

派遣業務
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令で定める18業務
  • ソフトウェア開発業務
  • 機械設計業務
  • 事務用機器操作業務
  • 通訳、翻訳
  • 速記業務
  • 秘書業務、ファイリング業務
  • 調査業務
  • 財務処理業務
  • 貿易取引業務
  • デモンストレーション業務
  • ツアーガイド業務
  • 案内・受付、駐車場管理等業務
  • 研究開発業務
  • 事業の実施体制の企画、立案業務
  • 書籍等の製作・編集業務
  • 広告デザイン業務
  • OAインストラクション業務
  • セールスエンジニアの営業、金融商品の営業関係の業務
その他
  • 就業形態、雇用形態等の特殊性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務
  • 事業の開始・転換・拡大・縮小・廃止のための業務であつて一定の期間内に完了することが予定されているもの
  • その業務が1か月間に行われる日数が、当該派遣就業に係る派遣先に雇用される通常の労働者の1か月間の所定労働日数に比し相当程度少なく、かつ、厚生労働大臣の定める日数以下である業務
  • 派遣労働者が産休、育児休業、介護休業等をするにおける当該労働者の業務として厚生労働省令で定める場合における当該労働者の業務
再派遣の禁止

派遣社員を派遣先から更に派遣させることはできません。

派遣労働者の分類

常用型派遣

派遣業者と雇用契約が結ばれている状態の派遣をいい、派遣先の有無にかかわりません。

正社員派遣や定常型派遣とも呼ばれます。

登録型派遣

派遣先が存在する時のみに派遣業者と雇用契約の関係が生じる状態の派遣をいいます。

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