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外国人を適正にサポートし在留許可へ向けて実務をこなすビザ専門行政書士の私としては、入管側の内部基準も理解しておきたいものです。ここでは、2017年入管内部基準に記されている、在留審査(変更・更新・永住等)について詳しく記述します。

第3章 就労資格証明書

第1節 対象

本邦に在留する外国人で、就労資格証明書の交付を受けようとする次のものが対象となる。

  • 1 就労資格をもって在留する者
  • 2 資格外活動の許可を受けている者
  • 3 特定活動の在留資格をもって在留する者で、当該在留資格により収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動に従事することが認められている者
  • 4 居住資格をもって在留する者
  • 5 特別永住者

第2節 審査

第1 一般原則

1 交付の決定

申請人が就労資格若しくは居住資格をもって在留する者又は特別永住者である場合のほか、次に掲げる要件のいずれかに該当する場合は、就労資格証明書の交付を決定する。

  • (1)資格外活動の許可を受けている者で、当該許可に係る活動について交付申請があった場合
  • (2)「特定活動」の在留資格をもって在留する者で、当該在留資格により収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動に従事することが認められている場合
2 不交付の決定

現に有する在留資格の下で就労することが認められていない場合には、就労資格証明書の不交付を決定する。

第2 特則

就労資格又は就労を認められている特定活動(活動の内容に勤務先が指定されている場合を除く。)の在留資格をもって在留する外国人が、勤務先等を変えた場合等で、具体的活動が当該就労資格に対応する活動に含まれるか否かについて確認するため、就労資格証明書の交付を求めて申請があったときは、次のとおり取り扱う。

なお、この取扱いは、在留期間の途中で生じ得る転職等の事実が次回の在留期間の更新許可申請の際に否定的に評価されて更新の許可が受けられなくなったりすることを危惧する者もあるので、このような者に対して、次回の在留期間の更新等今後の許可を念頭に置きつつ転職等の事実について当局の評価を明らかにするために行うものである。

1 当該申請に係る活動が、現に有する在留資格(特定活動告示に掲げる活動を行うものである場合には、当該告示)に該当するか否かについて審査する。

2 当該申請に係る活動が、基準省令への適合性を要する活動である場合には、基準省令適合性を審査する。

(注)当該申請があった場合でも、別途、入管法第19条の16に規定する所属機関の移籍又は新たな契約の締結に伴う届出を行わなければならない。

第3節 交付の方式

第1 交付

申請人に対し就労資格証明書(施行規則別記第29号の5様式)を交付することを決定したときは、次により作成する。

1 番号

申請番号と同一とする。

2 「活動の内容」
(1)法別表第1の1の表(外交及び公用を除く。)、2の表又は5の表の在留資格をもって在留する者

ア 現に有する在留資格に対応する法別表の下欄に掲げる本邦において行うことができる活動を記載する。なお、申請人から、就労資格証明書に例示された内容以外の業務について就労資格証明書に記載方依頼があった場合で、その業務が、証明する活動の範囲内であると認められるときは、当該活動に含まれる旨を括弧書きで具体的に適宜記載して差し支えない。

イ 第2節第2の事由により交付する場合は、同節第2の1及び2の審査の結果に従い、次の例による。

(ア)当該申請に係る活動が法別表第1の下欄に掲げる活動に該当する場合には、次の例によりなお書きで就労資格証明書の「活動内容」欄に、次を記載する。

例:なお、A製薬会社の研究所において研究主任としての新薬の開発に係る活動は、前記の活動に該当する。

(イ)当該申請に係る活動が基準に適合しない場合には、その旨を次の例により就労資格証明書の「活動内容」欄に、前記なお書きに加えてただし書きとして付記する。

例:なお、A製薬会社の研究所において研究主任として新薬の開発に係る活動は、前記の活動に該当する。

ただし、「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」の研究の在留資格に係る基準には適合しない。

(ウ)当該申請に係る活動が法別表第1の下欄に掲げる活動に該当しない場合は、次の例によりなお書きで就労資格証明書の「活動内容」欄に、次を記載する。

例:なお、A製薬会社の研究所において研究主任として新薬の開発に係る活動は、前記の活動に該当しない。

(2)居住資格をもって在留する者又は特別永住者

「収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動」と記載する。

(3)資格外活動の許可を受けている者

資格外活動許可書の「新たに許可された活動の内容」欄に記載されている事項を記載する。

(注)「外交」及び「公用」は就労できる在留資格であるが、原則として就労資格証明書を交付しない。ただし、「外交」又は「公用」の在留資格をもって在留する者の家族として在留する者が資格外活動の許可を受けている場合で、それらの者に係る就労資格証明書の交付申請があった場合は交付する。

3 「就労することができる期限」
(1)法別表第1の1、2、5又は法別表第2(永住者を除く。)の在留資格を有する者

当該在留資格に伴う在留期間(特例期間を含む)について記載する。

例:2010年7月1日(なお、当該期限は、出入国管理及び難民認定法第20条第5項(第21条第4項で準用する場合を含む)の適用を受ける場合は、同項に規定する日)

(2)資格外活動の許可を受けている者

資格外活動許可書の許可の期限欄に記載された期間の終期を記載する。

(3)「永住者」の在留資格をもって在留する者及び特別永住者

斜線を引く。

4 作成年月日

就労資格証明書を作成した年月日とする。

5 就労資格証明書裏面の「取扱庁」欄に処分庁名印又は入国審査官認証印を押印する。

第2 紛失・滅失又はき損・汚損による措置

紛失・滅失又はき損・汚損による再交付の願出があったときは、就労資格証明書の再交付を行うことなく、新たな申請を行わせる。

第4章 在留資格の変更・在留期間の更新

第1節 対象

第1 在留資格の変更

在留資格(「永住者」を含む。)をもって在留する外国人で、在留目的を変更して「永住者」を除く他の在留資格に該当する活動を行おうとするものが対象となる(「技能実習」の在留資格(第2号イ又はロ)及び「高度専門職」を有する者については、法務大臣が指定する本邦の公私の機関の変更を含み、「特定活動」の在留資格を有する者については、法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動の変更を含む。)。

なお、「永住者」への在留資格の変更を受けようとする者については、第6章に規定するところによる。

第2 在留期間の更新

本邦に在留する外国人が付与された在留期限を超えて、現に有する在留資格に属する活動を引き続き行おうとする場合が対象となる。

第2節 許可要件

第1 一般原則

次に掲げる要件のいずれにも適合すると認められる場合に許可する。

なお、在留資格の変更及び在留期間の更新の許可は、変更又は更新を適当と認めるに足りる相当の理由があることが法律上の要件である。それゆえ、基準省令に定める基準に適合していることが原則であるが、基準に適合しない場合でも特例的に許可する場合がある。

また、後記3に列挙されている要件に適合していても在留状況が好ましくない場合には、変更又は更新を適当と認めるに足りる相当の理由がないとして不許可とすることがあるとともに、後記3の要件に適合しない場合であっても、人道上その他特別な理由がある場合には、変更又は更新を適当と認めるに足りる相当の理由があるものとして許可する場合もある。

具体的には、入管法及びこれに基づく関係法令並びに第12編に基づき許否の判断をする。

1 在留資格該当性

申請人が行おうとする活動が、入管法別表第1に掲げる在留資格については同表の下欄に掲げる活動であり、入管法別表第2に掲げる在留資格については同表の下欄に掲げる身分又は地位を有する者としての活動であることを要する。また、活動が形式的に該当するのみならず、我が国において適法に行われるものであることを要する。

なお、定住者の在留資格を有する者が行うことができる活動は、法務大臣が特別な理由を考慮、し一定の在留期間を指定して居住を認める者の地位を有するものとしての活動であるところ、入国審査官が行う上陸の許可において、「定住者」の在留資格を付与する場合、その活動は定住者に係る告示で定めている地位を有する者としての活動に限られることとなるのに対し、在留の許可においては、そのような限定はないので、同告示に定める地位のいずれにも該当しない場合であっても、「特別な理由を考慮」して「定住者」を付与することができる。

2 基準適合性又は定住者の告示該当性

入管法別表第1の2の表、4の表、5の表(ロに係る部分に限る。)に掲げる在留資格への変更及び在留期間の更新に当たっては、原則として外国人が日本に入国する際の上陸審査の基準である上陸許可基準に適合していることを要する。

また、定住者の在留資格については、法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期聞を指定して居住を認める者としてあらかじめ告示をもって定めているものに該当するとして現に在留している場合は、原則として引き続き同告示に該当することを要する。

ただし、上陸許可基準又は定住者の告示に掲げる要件として年齢的な制限など可変的なものが定められてし、る場合、本邦への上陸時など当該外国人に対して在留資格を決定した際に当該基準又は要件に適合していたものであれば、その後の在留期間の更新に当たって、当該基準又は要件に適合していることを要しない。

3 これまでの在留状況に関する事項
  • (1)素行が不良でないこと
  • (2)納税義務を履行していること
  • (3)中長期在留者にあっては住居地の届出その他の届出・申請に係る義務を履行している

(3)については入管法第19条の7から第19条の13まで、第19条の15及び第19条の16に規定する在留カードの記載事項に係る届出、在留カードの有効期間更新申請、紛失等による在留カード再交付申請、在留カードの返納、所属機関等に関する届出などの義務を履行していること。

4 今後の生活状況に関する事項

(1)独立して生計を維持することが可能であること

次の要件に適合しない場合は、原則として許可する相当の理由がないものとして取り扱う。

ウ 社会保険に加入していること

エ 雇用・労働条件が適正であるなど、適法に活動を行うこと、賃金等の雇用・労働条件が労働関係法規に適合していることその他適法に活動を行うこと。

第2 在留資格の変更に係る特則

在留資格の変更においては、第1で要件としている相当性の判断の一つとして、現に有している在留資格又は在留目的及び変更後の在留資格又は在留目的に応じ次の点に留意する。

1 現に有している在留資格又は在留目的による留意点

(1)「短期滞在」の在留資格をもって在留する者からの変更については、次のいずれかに該当することを要する。

(2)「技能実習」の在留資格をもって在留する者からの変更については、「技能実習2号」への移行、「技能実習2号」での実習実施機関の変更又は身分関係、の成立を理由とする場合を除き、原則として許可しない。

(3)「特定活動」の在留資格をもって在留する者のうち、次の者からの変更については、原則として許可しない。詳細については、第12編第2章第26節を参照する。

ア 入院して医療を受けるため本邦に相当期間滞在する者及びその付添人

(4)「留学」の在留資格をもって在留する者からの変更については、第12編第2章第1節第5の3を参照する。

2 変更後の在留資格又は在留目的による要件

「定住者」の在留資格への変更については、第12編第2章第30節を参照する。

第3 在留期間の更新に係る特則

在留期間の更新においても、第1で要件としている相当性の判断の一つとして、それぞれの有する在留資格又は新たに行おうとする活動に応じ、次の点に留意する。

1 「法律・会計業務」の在留資格をもって在留する者から、外国法事務弁護士としての活動のみを行うことを目的として在留期間の更新許可申請があった場合において、申請者が当該弁護士業務について業務停止処分を受けていることが判明したときの取扱いは、第12編第2章第10節を参照する。

2 「留学」の在留資格をもって在留する者からの在留期間の更新許可申請については、第12編第2章第21節を参照する。

3 「研修」の在留資格をもって在留する者からの在留期間の更新許可申請については、第12編第2章第24節の2を参照する。

4 難民認定申請(審査請求を含む。)を行っていることを理由に「特定活動」の在留資格をもって在留する者から在留期間の更新許可申請があった場合は、難民認定申請を行っており、かっ、難民認定申請に係る処分文は裁決の告知がなされていないことを要する。なお、この場合における在留期間の更新許可申請に対する処分は、可能な限り難民認定申請に対する処分と同時に行う。

5 「興行」の在留資格をもって在留する者

演劇、演芸、歌謡、舞踏又は演奏の興行活動に従事するため「興行」の在留資格を付与されている者で、3月の在留期間を付与されているものについては、入国日から通算して6月を超えないこと。

6 「文化活動」の在留資格をもって在留する者

入国日から通算して3年以内の在留を目安とし、3年を超えて在留することとなる申請に際しては、3年を超えて活動する必要性・特殊性及び技芸の修得状況その他の過去の在留状況、生活費等の支弁能力等を総合的に勘案の上、更新の可否を決定する。

7 日本人の実子を扶養する外国人親として「定住者」の在留資格をもって在留する者

当該実子が未だ監護養育を必要とする時期において、日本国内で実子の監護養育の事実が認められない場合は許可しない。

(注)次に掲げる者については、第1に適合していることのほか、それぞれに規定する要件に適合することが必要である。

(1)「短期滞在」の在留資格をもって在留する者

第3節 審査

1 前節第1の1及び2 (在留資格該当性及び基準適合性)について

第12編に定める在留資格の該当範囲及び基準省令で定める基準による。

2 前節第1の3(1)(素行が不良でないこと)について

申請書の記載によるほか、出入国審査リスト及び要注意在留外国人等リスト(いわゆるテキストBL)により確認された場合のみ審査する。

3 前節第1の3(2)(納税義務)について

市区町村の住民税課税証明書により前年1月1日から12月31日までの所得額(前年の所得額が記載されない場合は前々年のもの)及び当該所得額に応じた当該年度の住民税額を確認し、住民税納税証明書により前年度の納税額及び滞納の有無を確認する。また、課税・納税額に大幅な変化がないことを確認することにより、安定した収入及び納税が見込めることを確認し、就労資格で在留する者の課税・納税額に大幅な変化がみられたときは、勤務先の変更等の届出の有無について届出情報を確認する。ただし、これらの証明書の記載から未納があることが判明しても、延納や分納が認められている場合があるので、その場合は直ちにこの要件に適合しないものであるとはせず、国税の納税証明書(その1)の提出を求める等して確認する(延納等が認められている場合は、備考欄にその旨の記載がある。)。

4 前節第1の3(3)(中長期在留者に係る義務履行状況)について

中長期在留者に係る義務が履行されているか確認する。

中長期在留者に係る義務の不履行者を発見した場合には、DVの被害を避けるため等特別の理由のある場合を除き、義務の履行について指導する。

(1)住居地変更届出の不履行を発見したときは、特別の理由がある場合を除き、速やかに同届出をするよう指導し、同義務の履行を確認した後に処分する。この場合において、住居地変更届出義務の履行の指導は口頭で行い、指導した事実を申請書上にとどめ、口頭による指導に応じない場合又は同指導後の1週間を経過しても同義務を履行していない場合には、改めて1週間の期限を付して文書による指導を行い、これにも応じないときには、原則として不許可とする(不許可処分をすることに疑義があるときは本省に請訓する。)。

(2)入管法第19条の16の規定に基づく届出義務を履行していない場合であっても、在留期間更新許可申請又は在留資格変更許可申請において届け出ることとされていた内容が申請書に記載され、立証資料が添付されているときは、特段の事情がない限り、前節第1の3(3)については適用しない。なお、この場合においては、届出義務不履行の再発防止について指導する。

5 前節第1の4(1)(独立生計要件)について

  • (1)所得税又は住民税を納付している者については、納付額にかかわらず独立生計要件は満たしているものとして取り扱う。
  • (2)租税免除条約による納税の免除や非課税措置が行われている者については、個別に審査する。

6 前節第1の2(5)(社会保険加入状況)について

審査の過程において社会保険制度に未加入であることが判明した場合は、申請者に対して社会保険に加入するよう案内するものとする。

7 前節第1の4(1)ウ(雇用・労働条件)について

別表第1の1の表及び2の表(就労資格)については、提出された雇用契約書等により判明する場合のほか、労働関係機関からの通報があった場合に審査する。

別表第1の1の表及び2の表(就労資格)以外については、労働関係機関からの通報があった場合のみ審査する。労働関係法規違反により労働基準監督機関による是正勧告等が行われたことが判明した場合は、通常申請人である外国人に責はないため、直ちに不許可とすることなく、雇用・労働条件が改善されたり、別の機関に適正な条件で雇用されることなどを確認した上で許否を決定する。

第4節 在留資格・在留期間の決定

在留資格及び在留期間は、「第12編在留資格」に基づき決定する。

第5節 許可の方式

第1 中長期在留者となる者に対する許可

1 在留カードの交付

在留資格の変更又は在留期間の更新の許可により、当該許可に係る外国人が引き続き中長期在留者に該当し、又は新たに中長期在留者に該当することとなる場合は、当該外国人に対し、新たに在留カードを交付する。

なお、旅券又は在留資格証明書には、許可に係る証印をしない。

2 許可番号

申請番号と同ーとする。

なお、在留カードに許可番号は記載されない。

3 許可年月日

在留カードを交付した年月日とする。

4 在留期間の起算日
(1)在留期間満了前に在留カードを交付する場合

在留資格変更許可及び在留期間更新許可において、在留期間満了前に在留カードを交付するときの在留期間の起算日は、在留資格変更許可では当該在留カードを交付する日の翌日から、在留期間更新許可では従前の在留期間の満了日の翌日からとなる。

(2)特例期間内に在留カードを交付する場合

特例期間内の在留資格変更許可及び在留期間更新許可における在留期間の起算日は、在留カードを交付する日の翌日からとなる。

第2 中長期在留者に該当しないこととなる者に対する許可

1 許可証印の押印

在留資格の変更又は在留期間の更新を許可した結果、当該許可に係る外国人が、中長期在留者に該当しない場合は、当該外国人の旅券又は在留資格証明書の従前の在留資格に係る証印に近接した箇所(頁)に、許可に係る証印を貼付又は押印する。

2 許可番号

申請番号と同ーとする。

3 許可年月日

証印をした年月日とする。

4 在留期間の起算日
(1)在留期間満了前に証印をし又は証印をした在留資格証明書を交付する場合

在留資格変更許可において、在留期間満了前に証印をし又は証印をした在留資格証明書を交付するときの在留期間の起算日は、当該許可日の翌日となる。

また、在留期間更新許可において、在留期間満了前に証印をし文は証印をした在留資格証明書を交付するときの在留期間の起算日は、従前の在留期間満了日の翌日となる。

(2)特例期間内に証印をし又は証印をした在留資格証明書を交付する場合

特例期間内の在留資格変更許可及び在留期間更新許可における在留期間の起算日は、当該許可日の翌日となる。

5 その他

中長期在留者に該当しないものについては、許可に係る証印が貼付又は押印されている旅券文は在留資格証明書を常に携帯するように指導する。

第3 許可に伴う措置

1 在留カードを所持していない者に対し、在留資格変更許可若しくは在留期間更新許可に伴って証印をし又は在留カードを交付したときは、旅券又は在留資格証明書にある従前の在留資格に係る証印に失効(CANCELLED)印を押印する。

2 在留カードを所持している者に対し、在留資格変更許可又は在留期間更新許可に伴って証印をし、又は新たな在留カードを交付したときは、従前の在留カードを返納させ、失効した在留カードのIC部分に穿孔処理を加えた上で、当該申請人に還付する。

3 「技能実習2号イ」又は「技能実習2号ロ」の在留資格への変更を許可するときは、指定書(施行規則別記第31号の3様式)に所要の記載を行い、同指定書に入国審査官認証印を押印した上で、当該申請人に交付する。なお、申請人が旅券又は在留資格証明書を所持しているときは、当該旅券又は在留資格証明書に指定書を添付して交付する。

4 特定活動の在留資格への変更を許可するときは、指定書(施行規則別記第7号の4様式)に所要の記載を行い、同指定書に入国審査官認証印を押印した上で、当該申請人に交付する。なお、申請人が旅券又は在留資格証明書を所持しているときは、当該旅券又は在留資格証明書に指定書を添付して交付する。

また、特定活動の在留資格をもって在留する者に対して在留資格の変更を許可するとき(新たな活動を指定して特定活動を許可する場合を含む。)は、現に有する特定活動に係る指定書に失効(CANCELLED)印を押印して申請人に返却する。なお、返却した指定書は申請人の責任において廃棄しても差し支えない。

5 包括許可による資格外活動許可有効期間中に、新たな資格外活動許可を受けずに在留期間更新のみを許可する場合で、資格外活動許可期限と在留期限とが一致しないときは、中長期在留者として許可する者に交付する在留カードの裏面左下部にある「資格外活動許可欄」に記載する資格外活動許可を受けている旨及び当該許可した活動の要旨の下部に資格外活動許可期限を併せて記載する。

記載例:(2015.7.9まで)

(注)資格外活動許可期限の記載を行った在留カードを所持する中長期在留者に対して新たな資格外活動許可を行う場合には、資格外活動許可欄用の補助用紙を貼付して新たな資格外活動許可に係る記載をする。

第6節 再入国許可に係る措置

再入国許可を受けている外国人に対して在留資格の変更を許可する場合は、当該再入国許可を引き続き与えておくことが適当か否かについても検討し、次のとおり取り扱う。

1 地方局等又は出張所の長は、変更後の在留資格が「短期滞在」又は出国準備期間としての「特定活動」であるときは、入管法第26条第7項の規定に基づき、再入国許可を取り消した上、再入国許可証印に失効(CANCELLED)印を押印する。

2 変更後の在留資格が「短期滞在」以外の在留資格については、原則として変更後の在留資格を有するとしてした再入国許可として取り扱う。ただし、再入国許可を引き続き与えておくことが適当でないと認められるときは、当該再入国許可を取り消した上、再入国許可証印に失効(CANCELLED)印を押印する。

3 前記2により変更後の在留資格に係る再入国許可とみなす場合で、在留資格の変更に伴い、当該再入国許可の有効期限が新たな在留期限を超えることになるときは、電算記録の訂正依頼を行い、FEISにおいて再入国許可の有効期限を新たな在留期限と同ーのものに変更した上で、証印シールを再発行して旅券等に貼付するとともに、旧再入国許可証印を失効(CANCELLED)印により抹消する。

なお、当該再入国許可証印がスタンプ式のものである場合は、有効期限を新たな在留期限と同ーの日に書き換え、処分庁名印又は入国審査官認証印を押印する。

4 スタンプ式証印により有効期限の書換えを行った場合は、確実に電算記録の訂正依頼を行う。

5 再入国許可を受けている者への説明

前記1から3の措置をとる場合で、数次再入国許可以外の再入国許可若しくは一度も当該許可により再入国していない数次再入国許可に失効(CANCELLED)印を押印する場合又は再入国許可期限の書換えを行うときは、再入国許可許可を受けている者に対し、措置の趣旨を説明する。

第6章 永住許可

第1節 対象

1 在留資格を変更しようとする者のうち、「永住者」の在留資格への変更を希望するもの。

2 出生その他の事由により「永住者」の在留資格の取得を希望するもの。

なお、父母のいずれかが特別永住者の場合は、本章によることなく、特例法に定めるところにより特別永住許可の申請を行うこととなる。

第2節 審査

第12編「在留資格」第2章第27節に定めるところにより許否を決定する。

第3節 許可の方式

第1 許可

1 在留カードの交付

永住者の在留資格への変更又は取得を許可する場合は、当該外国人に対し、新たな在留カードを交付する。

2 許可番号

申請番号と同一とする。

3 許可年月日

在留カードを交付した年月日とする。

第2 許可に伴う措置

旅券又は在留資格証明書に従前の在留資格に係る証印が押印されている場合は、当該証印に失効(CANCELLED)印を押印する。

なお、中長期在留者に対する永住許可の場合は、従前の在留カードを返納させ、失効した在留カードのIC部分に穿孔処理を加えた上で、当該申請人に還付する。

第7章 在留資格の取得

第1節 対象

1 日本国籍の離脱(平和条約発効によるもの)、出生、日本国籍の喪失(外国国籍の取得によるもの)又は日米地位協定若しくは国連軍地位協定該当者の軍籍離脱等上陸の手続を経ることなく本邦に在留することとなる者で当該事由の発生後60日を超えて本邦に在留しようとするもの。

(注1)母親が外国人である場合で、親子関係の不存在を確認する裁判の確定により日本人父との親子関係不存在が確定すると、当該子は日本国籍を有せず、出生時から外国人としての身分を有することとなる。したがって、在留資格取得許可申請の申請期間の起算日(法第22条の2第2項の「事由が生じた日」)は出生の日となる。なお、申請期聞を経過している場合には、第1章第2節第5の規定により措置する。

(注2)日米地位協定該当者又は国連軍地位協定該当者の軍籍離脱等上陸の手続を経ることなく本邦に在留することとなる者に対する在留資格の取得については、第13編第3章第1節を参照。

2 一時庇護のための上陸の許可を受けた者で、「永住者」の在留資格以外の在留資格をもって本邦に在留しようとするもの。

第2節 審査

次に掲げる要件のいずれにも適合する場合に許可する。

  • 1 行おうとする活動が法別表第1又は第2に掲げる申請に係る在留資格の下欄に掲げる活動に該当すると認められること。
  • 2 行おうとする活動が法別表第1の2の表又は4の表の上欄に掲げる在留資格に該当する場合は、基準省令への適合性が認められること。
  • 3 その他許可することが適当と認められること。

第3節 許否判断に関する留意事項

1 出生による在留資格の取得の場合に、取得できる在留資格が、父文は母の在留資格に照らし定まる場合は、当該在留資格を許可する。

2 父又は母のいずれに準拠するかによって在留資格が異なる場合には、特定の親に準拠するべき理由の存するときを除き、申請人の在留にとって有利であると認められる在留資格を決定する。

なお、「特定の親に準拠するべき理由の存するとき」とは、父又は母のいずれか一方が行方不明であるときなど親権を行使している親が一人であることが明らかな場合等であって、他方の親の在留資格に準拠して在留資格を決定することが相当でないと認められるときをいう。

3 特例上陸の許可を受けている者の子については、「短期滞在」の在留資格を決定する。

4 一時庇護のための上陸の許可を受けている者の子については、親が新たに在留資格を取得したときは、当該親の在留資格に応じた子の在留資格を決定する。

第4節 在留資格・在留期間の決定

在留資格及び在留期間は、第12編「在留資格」に基づき決定する。

第5節 許可の方法

1 在留カードの交付

在留資格の取得を許可する際、当該許可に係る外国人が中長期在留者に該当することとなる場合は、当該外国人に対して、在留カードを交付し、旅券及び在留資格証明書には、許可に係る証印をしない。他方で、当該許可に係る外国人が中長期在留者に該当しない場合は、当該外国人の旅券又は在留資格証明書に、許可に係る証印を貼付又は押印する。

(注1)通常、漢字圏の外国人の子が出生したときは子の氏名を漢字で名付けるところ、本邦で出生した場合、その漢字氏名に対応するローマ字を承知しないまま出生届に不確実なローマ字氏名を記載する例が多いことから、在留資格取得許可をする際、出生届出受理証明書の提出のみで旅券等によりローマ字氏名の確認ができず、その後に旅券等が発給され出生届のローマ字氏名が訂正されるおそれがあるときは、特別の事情があるものとしてローマ字氏名を在留カードに表記せず、漢字又は漢字及び仮名を使用した氏名のみを表記した在留カードを交付する(第9編の2第1章第4節第3、1(1)ウを参照。)。

(注2)在留資格取得許可申請の際は、旅券の提示がない場合もある。このようなときで漢字圏の外国人の子にあっては、住民票に表記された漢字に対応するローマ字が正しい表記であるのかを確認する必要がある。明らかにローマ字氏名が正しくないと思われる場合は、その旨説明し、漢字氏名のみとすることとし、旅券発給後にローマ字氏名が判明した際には、訂正希望によるローマ字氏名の表記が可能となる(ただし、手数料が必要。)ことを説明する。なお、後日発給された旅券の氏名と在留カードに記載された氏名の表記が異なる場合(第9編の2第3章第2節第1、(注1)を除く。)は、氏名に係る記載事項の変更届出を行わせる(第9編の2第1章第4節第3、1(1)アを参照。)。

2 許可番号

申請番号と同一とする。

3 許可年月日

在留カードの発行又は証印をした年月日とする。

4 その他

(1)特定活動の在留資格の取得を許可するときは、指定書(施行規則別記第7号の4様式)に所要の記載を行い、同指定書に入国審査官認証印を押印した上で当該申請人に交付する。なお、申請人が旅券を提示しているとき、又は在留資格証明書を交付するときは、当該旅券又は在留資格証明書に指定書を添付して交付する。

(2)法第22条の2第1項に定める在留資格を有することなく本邦に在留することができる期間の満了前に中長期在留者として在留カードを交付し、又は旅券に証印をし若しくは証印をした在留資格証明書を交付するときの在留期間の起算日は、在留カードを交付し、又は当該証印をし若しくは証印をした在留資格証明書を交付した日の翌日とする。

(3)法第22条の2第1項に定める在留資格を有することなく本邦に在留することができる期間の満了後に旅券に証印をし、又は証印をした在留資格証明書を交付するときの在留期間の起算日は、同期間満了日(出生その他の事由等の発生の日から60日)の翌日とする。

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