Pocket

外国人を適正にサポートし在留許可へ向けて実務をこなすビザ専門行政書士の私としては、入管側の内部基準も理解しておきたいものです。ここでは、2017年入管内部基準に記されている、在留審査(総則-審査・処分)について詳しく記述します。

第3節 審査

第1 審査の方式

1 基礎調査

(1)黒塗り

(2)次に掲げる資料を抽出する。

なお、資料が他の地方局等又は出張所において保管されている場合は、当該地方局等又は出張所の長に対して送付を依頼する(記録が電算入力されている場合は、当該電算入力情報での審査が困難なときに限る。)。ただし、立証資料等により在留資格該当性及び基準適合性が明白であり、かつ、在留状況に問題がないと認められる場合は、これら資料の到着を待たずに処分を行うことができる。

  • ア 入国事前審査を経た者
  • 当該事前審査の記録

  • イ 上陸特別許可を受けた者
  • 上陸口頭審理記録書(写し)

  • ウ 在留特別許可を受けた者
  • 事件概要書(写し)

  • エ 一時庇護のための上陸の許可を受けて上陸している者で在留資格の取得許可申請を行っているもの
  • 事案概要書(写し)

  • オ 在留資格の変更又は在留期間の更新の許可を受けて引き続き在留中の者
  • 申請人の個人記録

  • カ 退去強制事由に該当する疑いがあるとして立件された者(退去強制令書の発付又は在留特別許可を受けた者を除く。)
  • 事件の概要に関する文書(写し)

  • キ 在留資格を取り消さないこととする通知を受けた者
  • 事件の概要に関する文書(写し)

(3)所属機関等に係る届出情報と申請内容との照合を行う。

(4)届出住居地情報と申請書記載の住居地が一致していることを確認するほか、必要に応じ、他の提出書類を精査するなどして、適正な住居地等の届出義務が履行されているか確認する。

(5)再入国出国中のまま新規入国している等の事情がないか、旅券、電算上の出入国歴等により確認する。

2 受け付けた案件の振分け

第8編第1章第2節第1を参照

3 資料の追加提出を要する案件の措置

第2節第8の2(3)のエを参照。

4 実態調査

立証資料、基礎調査等の審査により実態を調査する必要があると思料する案件については、実態調査によって何を確認するのかを明確にした上、実態調査を行う(第11編「実態調査」を参照)。

(注)特例期間内の処理のため、実態調査の要否の判断及び実施する場合はその時期については、申請受付後早期に行うこととする。

第2 事案概要書等の作成等

1 作成等

所要の審査を終えたときは、当該案件を担当する入国審査官は、認定した事実及び第12編における審査上の留意点等を踏まえ、これらに基づく措置方針を記載した事案概要書(別記第8号様式)を作成の上、起案する。

2 記載上の留意事項

事案概要書の作成に当たっては、次の事項に留意する。

(1)事案概要書の記載は、事案の概要を的確に把握できるよう要点を網羅し、かつ、簡潔に行う。

(2)在留資格の変更許可申請又は在留期間の更新許可申請に係る事案概要書には「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」に留意しつつ、必要な事実の認定及び措置方針を記載する。

(3)事案概要書は、各人につき1通作成する。ただし、申請内容を同一とする複数の申請(家族を含む。)については、申請人名を連記した事案概要書1通をもって複数作成に代えることができる。

(4)不許可案件にあっては、要件のいずれに適合しないかを明記する。

(5)その他

  • ア 記載欄下部に作成日を記入し、審査を担当した者が押印する。
  • イ 使用する年号は、西暦とする。

3 決裁

決裁権者は、第1編第1章第2節における入国・在留審査の留意点を踏まえ、事案概要書に記載された認定事実、在留資格の変更又は在留期間の更新に係る許可要件(第4章第2節)、在留資格別の審査上の留意点(第12編)などにより総合的に判断する。

第3 申請案件の移管

1 申請受付後に申請人が他の地方局等又は出張所の管轄又は分担する地域に住居地変更した場合等申請を受け付けた地方局等又は出張所において審査を継続することが適当でないと認められる場合には、申請人の住居地変更先を管轄又は分担する地方局等又は出張所に当該案件を移管する。この場合には、移管年月日を電算入力し、移管先を進行管理簿(速報版)に記載する。

2 申請案件の移管を受けた地方局等又は出張所は、第2節第10に準じ、新たな申請番号をもって所定の事項を電算入力するほか、移管を受けた年月日及び移管元の地方局等又は出張所の名称を進行管理簿(速報版)の備考欄に記載する。

3 移管を受けた地方局等又は出張所においては、自庁において申請を受け付けた場合と同様に措置する。

第4 人身取引等被害者への対応

1 被害者である可能性がある者を認知したときの措置

黒塗り

2 事情聴取等における留意点

(1)人身取引等の被害者又はその可能性がある者(以下「被害者等」としづ。)から事情

聴取する場合は、公務員として秘密を守る義務があることを告知した上で、被害者等の心身の状況やプライパシーに十分配慮した時間及び場所で行うとともに、被害者等が女性であるときはできる限り女性の担当官が対応することに加え、できる限り被害者等の母国語の通訳を介して意思の疎通を図り、柔和な態度で不安感を払拭するよう留意しながら事案の真相究明に努めなければならない。なお、被害者等が供述を拒んだときは、これを強要しない。

(2)黒塗り

3 被害者に対する措置

(1)被害者から在留資格の変更又は在留期間の更新許可申請があったときは、通常の審査を行い、変更又は更新を適当と認めるに足りる相当の理由があるときは、これを許可する。

(2)前記(1)により許可することが適当でないと認められる場合で、あっても、被害者が以下のアからウまでのいずれかに該当することが明らかなときは、変更又は更新を許可することとし、アからウまでのいずれにも該当しないときは、本省に請訓する。

  • ア 我が国への在留を希望し、かつ、帰国した場合に生命・身体等に危険がある場合又はブローカ一等から受けた暴行等により治療を必要とする場合
  • イ 加害者の訴追のために証人等として刑事手続に協力することが想定される場合
  • ウ 在留期間の残余の期聞が短く出固までの聞に在留資格の変更等が必要な場合

なお、地方局の長は、前記(1)又は(2)に該当する場合は、支局長に専決させることができる。

(3)前記(2)により在留資格の変更等を許可する場合の在留資格・在留期間は、次のとおりとする。

ア 前記(2)のア又はイに該当する場合

「特定活動(6月)」(場合によっては「特定活動(3月)」)

(注)刑事手続には相当の時間を要する場合があること、当該外国人が加害者に対して損害賠償請求訴訟を提起することもあり得るところ、そのため一定の準備期間を認めることを考慮する。

イ 前記(2)のウに該当する場合

「特定活動(1月)」(場合によっては「特定活動(3月)」)

(4)前記(3)により「特定活動」の在留資格を許可する場合の指定する活動は、次のとおりとする。

「人身取引等(出入国管理及び難民認定法第2条第7号に規定するものをいう。)された者として、被害の回復をするための活動(収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を除く。)」

4 在留資格の取消手続における措置

在留資格の取消手続の対象となっている外国人が被害者であるときは、第10編の2第1章第1節第4の4に該当するものとして当該取消手続を終止とし、在留資格の変更の許可について前記3により措置する。

5 報告票の作成・送付

(1)入国審査官は、被害者に対して前記3(1)又は(2)により在留資格の変更等の許可をしたとき並びに第3編第2章第1節4により本省に請訓するときは、別記第2号様式「人身取引事案報告票(在留審査用)」を作成し、供述調書等関係資料の写しを添付して、所属する部門等の人身取引対策員である首席審査官又は出張所長に提出する。

(2)首席審査官又は出張所長は、前記(1)により提出された報告票等については、人身取引事案に係る措置要領の規定に従い、適切に措置する。

第5 DV被害者への対応

1 DV被害者等を認知した場合の措置

(1)在留審査において、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための法律第1条に規定する配偶者から暴力を受けた外国人(以下「DV被害者」という。)又はDV被害者と思料される外国人(以下、合わせて「DV被害者等」という。)を認知したときは、配偶者からの暴力を受ける事案(以下「DV事案」という。)の内容等について事情聴取を行うなどし、その事実関係を可能な限り明確にする。ただし、この場合、DV被害者等の意思を最大限尊重し、当該DV被害者等の同意が得られないときは、DV事案についての事情聴取は行わない。

(2)DV被害者等からDV事案の内容等について事情聴取する場合は、公務員として秘密を守る義務があることを告知した上で、DV被害者等の心身の状態やプライパシーに十分配慮した時間及び場所で行うとともに、DV被害者等が女性であるときはできる限り女性の担当官が対応することに加え、できる限りDV被害者等の母国語の通訳を介して意思の疎通を図り、柔和な態度で不安感を払拭するよう留意しながら事案の真相究明に努めなければならない。

(3)黒塗り

(4)DV被害者を認知又はDV被害者であることが明らかになったときは、DV被害者報告票(別記第5号様式)により速やかに本省に報告する。

2 関係部門等との連携

職員が認知又は関係機関等から得たDV事案に係る情報は、地方局等の総務課に設置するDV対策事務局に集約するとともに、関係課・部門、他の地方局等と連絡を密にし、また、引継ぎを確実に行うなど、DV事案には連携して対処しなければならない。

3 関係機関への連絡等

(1)DV被害者と確認された外国人については、配偶者暴力相談支援センター又は警察へ通報することを希望するか否かの意思確認を行い、通報することを希望した場合は、その者が居住する地域等に所在する配偶者暴力相談支援センター又は警察へ連絡する。ただし、当該DV被害者が身体に対する暴力を受けていると認めたときは、本人の意思にかかわらず配偶者暴力相談支援センター又は警察に通報する。

(2)DV被害者の配偶者が刑法その他の刑罰法令に触れる行為を行ったと思料されるときは、当該配偶者名や被害状況等、事案の概要を警察に連絡する。

(3)(1)又は(2)の場合において、早急に身体の保護を図る必要があると認められる場合は、婦人相談所に連絡して協力を求める。

この場合、婦人相談所から通訳の紹介等協力依頼があったときは、可能な限り協力するものとする。

(4)配偶者暴力相談支援センター等から、DV被害者の在留期間更新許可申請等について相談を受けた場合は、当該DV被害者の個別の事情に応じ適切に対応するものとする。

4 在留期間更新許可申請等がなされた場合の措置

DV被害者から在留期間更新許可申請又は在留資格変更許可申請があったときは、本省に請訓する。この場合において、配偶者からの暴力を受け、配偶者の協力を得ることが困難であるとして立証資料等の提出が不十分なまま在留期間更新許可申請等があったときは、その旨を付記した上で本省に請訓する。

5 DV被害者が在留資格の取消事由に該当する場合の措置

DV被害者が、入管法第22条の4第1項各号に掲げる在留資格の取消事由に該当することが判明したときは、その原因が、配偶者の暴力に起因している場合又は起因していない場合のいずれであっても、事実関係を記載した上、本省に請訓する。

6 DV被害者が旅券等を所持しない場合の措置

DV被害者が配偶者からの暴力に起因して旅券を所持しておらず、当該DV被害者に対し、中長期在留者に該当しない者として在留期間更新又は在留資格変更の許可をするときは、在留資格証明書を交付する。なお、当該DV被害者が、その後領事館等から新たな旅券の発給を受け、証印転記の願出をしたときは、当該旅券に証印の転記をする。

7 出張所における措置

出張所において、DV被害者等を認知した場合は、出張所を管轄する地方局・支局の総務課長に報告し、その指示を受けて措置するものとする。

第4節 処分

第1 許可・交付

1 出頭通知

(1)地方局等又は出張所の長は、許可の決定をしたとき又は請訓若しくは進達の結果許可すべき旨の通知を受けたときは、速やかに申請人等に対し通知書(別記第9号様式)を郵送し、又は電話をもって出頭するよう通知する。電話をもって出頭するよう通知した場合には、電話記録書を作成する。

ただし、申請受付時にあらかじめ申請受付票等で出頭期間を指定して申請人等に通知しているときは、この限りではない。

(2)通知書に記載する出頭期限は、特例期間の範囲内で出頭に必要な期間を考慮して決定する。

なお、特例期間中の者に対する通知は、遅くとも特例期間の満了する20日前までに行い、10日前までに出頭しないときは改めて通知(2回目)する。

(注)特例期間の末日が休日に当たる場合の取扱いについては、休日法の対象とならないことから、特例期間の末日が休日に当たる場合には、その処分に当たって留意する必要がある。

(3)在留資格取得許可申請において、申請人が、出生又は日本国籍喪失後、法第22条の2第1項に規定する期間(当該事由発生から60日間)内に住居地を管轄する市区町村で出生届又は国籍喪失届を提出した場合、当該申請人の住民票が作成されることになるが、同期間を経過しても在留資格の取得が許可されない場合には当該住民票が消除されることから、同条第2項に規定する期間(当該事由発生から30日間)内に申請があった場合には、同条第1項に規定する期間内で出頭に必要な期間を考慮して出頭期限を決定する。

(4)申請時に16歳未満の者であって、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、在留資格取得許可申請又は永住許可申請に対する処分の結果、中長期在留者となるもの又は引き続き中長期在留者となるものであって、処分の告知のために申請人等が出頭する時点において、申請人の16歳の誕生日まで6か月以内であることが見込まれるときは、当該申請に係る通知書を発送する際、在留カードの有効期間更新申請書を同封するなどして同申請を案内する。その際、当該申請書に写真1葉(施行規則別表第3の2に定める要件を満たしたもので、裏面に氏名を記入したもの)を貼付して持参の上、在留カードの有効期間更新申請を行った場合には、在留期間の満了日(永住者については交付から7年)まで有効な在留カードを交付することが可能である旨案内する一文を当該通知書に付記する。

(注)在留資格変更許可申請等の在留諸申請において、有効期間の満了日が16歳の誕生日とされている在留カードを所持する者に対する処分が16歳の誕生日を超えて行われることが見込まれるときは、別途、16歳の誕生日前に在留カードの有効期間更新申請が必要な旨を案内する。

(5)出頭の通知を行ったときは、通知を行った年月日及び出頭期限を電算入力する。

(6)出頭期限内に出頭しなかった者が、その後も出頭することなく特例期間を経過したときは、決裁権者による当該事実の確認の後速やかに警備部門へ通報するとともに、当該申請に対し、改めて不許可の決定を行うこととし、FEISへの入力等の処理を行う。

(注)特例期間が経過した後に申請人が出頭した場合又は摘発等により申請人の身柄を確保した場合は、原申請を受け付けた地方局等又は出張所の入国審査官又は入国警備官が不許可の通知を行うこととなるが,申請人が他の地方局等又は出張所の管轄又は分担地域に所在するときは、原申請を受け付けた地方局等又は出張所の依頼により、当該申請人の所在する地方局等又は出張所の入国審査官又は入国警備官が不許可の通知を行う。

2 許可の方式

(1)資格外活動許可、就労資格証明書交付、再入国許可の方式

通知書を受領した申請人等又は申請本人の配偶者、子(16歳に満たない者を除く。)、兄弟姉妹(16歳に満たない者を除く。)、申請本人の所属する企業等若しくは学校の職員が出頭したときは、次の方式により許可し、又は交付する。

ア 資格外活動許可

旅券若しくは在留資格証明書にシール化された証印を貼付し、又は資格外活動許可書を交付する。

また、中長期在留者に対して資格外活動の許可をする際には、当該資格外活動許可の概要を在留カード裏面左下部に記載し、在留カードの集積回路(IC)に当該許可情報の書き込みを行う。

イ 就労資格証明書の交付

就労資格証明書を交付する。

ウ 再入国許可

旅券にシール化された証印を貼付(FEIS機器の故障等により証印シールを打ち出すことができないときは、スタンプ式証印を押印する。)し、又は許可の証印その他所要の記載を行った再入国許可書(施行規則別記第42号様式)を交付する。

(2)在留資格変更許可、在留期間更新許可、在留資格取得許可、永住許可の方式
ア 許可により新たに中長期在留者に該当し、又は引き続き中長期在留者に該当するとき

通知書を受領した申請人等が出頭したときは、新たな在留カードを交付する。旅券又は在留資格証明書には許可の証印を行わない。

なお、現に在留カードを所持している者については、当該カードを返納させ、穿孔処理によりICの無効化を行った上で申請人等に還付する。この場合において、出頭した者が在留カードを現に所持していないときは、後記3のとおりとする。

イ 前記アに該当しないとき

通知書を受領した申請人等、申請人本人の配偶者若しくは子(16歳に満たない者を除く。)若しくは兄弟姉妹(16歳に満たない者を除く。)又は申請人本人の所属する企業等若しくは学校の職員が出頭したときは、旅券又は在留資格証明書にシール化された証印を貼付する(FEIS機器の故障等により証印シールを打ち出すことができないときは、スタンプ式証印を押印する。)。

なお、旅券又は在留資格証明書のいずれも所持しない申請人については、新たに在留資格証明書を作成した上、これに証印する。

また、現に在留カードを所持している者が当該許可処分により中長期在留者でなくなった場合には、申請人が所持する在留カードを返納させ、穿孔処理によりICの無効化を行った上で申請人等に還付する。

(3)出頭時の留意事項

ア 在留審査の場面においても偽変造文書が行使されていることを認識し、旅券等の文書の有効性及び同一人性の確認に留意する。

また、代理人又は取次者が出頭した場合にあっては、旅券又は在留カード及び提出写真の同一人性の確認を確実に行う。

イ 代理人(入管法第61の9の3第4項に規定する法定代理人を除く。)又は取次者が出頭した場合にあっては、過誤証印の防止のため、旅券上の証印、電算上の出入国歴等により当該申請人が本邦に在留中であることを必ず確認する。この場合において、当該申請人が本邦に在留中ではないときは、出頭した者に対して在留カードを交付することはできないことに留意する。

3 現に所持する在留カードを返納できない場合の措置

(1)在留資格変更許可、在留期間更新許可又は永住許可を受けるために来庁した際、失念などにより在留カードを持参しなかったときは、原則として、在留カードを持参して再度出頭し、その際に新たな在留カードを受領するように案内する。ただし、申請人等が返納済み在留カードの還付を希望しない場合で、速やかに失効済み在留カードを処分庁宛てに郵送で返納することが確実に見込まれるときは、当該許可に係る手続を行い、新たな在留カードを交付することとして差し支えない。

(2)在留資格変更許可、在留期間更新許可又は永住許可により引き続き中長期在留者となる者が当該許可を受けるために来庁した際、申請時に提示した従前の在留カードを紛失していた場合、遺失届受理証明書、り災証明書等の公的証明を提出させ(注)後日旧在留カードを発見した際に速やかに旧在留カードを発行拠点に郵送又は地方局等に旧在留カードを持参して出頭するように案内した上で、在留申請に係る許可による新たな在留カードを交付することとして差し支えない。

なお、後日紛失した在留カードを持参した場合には穿孔処理して還付するが、郵送の場合には、旧在留カードが還付されない旨を併せて案内する。

(注)自宅内で紛失した場合には、警察署から遺失届出証明書が発行されないため、自宅内をよく確認し、それでも見つからない場合には、最寄りの警察署へ遺失届を受け付けてもらえるかどうか相談するように指導する。なお、遺失届出証明書が発行されない場合には、資料提出通知書(別記第2号様式)により、紛失した状況等を記した文書の提出を求める。

(3)在留資格変更許可又は在留期間更新許可により中長期在留者ではなくなる場合には、14日以内に在留カードを返納するように案内した上で、当該許可に係る手続を行う。

4 現に有する在留カードの有効期聞が既に満了している場合の措置

現に有する在留カードの有効期間の満了日が16歳の誕生日とされている場合であって、16歳の誕生日後に在留期間更新許可等を受ける者については、16歳の誕生日前における在留カードの有効期間更新の申請義務者は、入管法第61条の9の3第2項各号に掲げる当該中長期在留者の同居の親族であることから、当該中長期在留者が出頭した場合には、指導等は行わず、在留カードの有効期間更新申請を受け付けた上で、在留申請に係る許可により新たな在留カードを交付する。

また、当該申請義務があった家族が当該中長期在留者に代わって許可処分の手続のため出頭した場合には、在留カードの有効期間更新申請を行わなかった理由を記した文書の提出を求め、再発防止のための指導を行い、在留カードの有効期間更新申請を受け付けた上で、在留期間更新許可等により新たな在留カードを交付する。

5 証印等の代行

地方局等又は出張所の長は、他の地方局等又は出張所の長の依頼に基づき、許可の手続を代行することができる。ただし、上陸許可の際に在留カードを発行しない空海港では、在留諸申請や在留カードに係る申請等に伴う在留カードも交付できないため、これらの在留カードを交付して行う許可の手続を代行することができないことに留意する。

代行手続を行う場合は、以下のとおりとする。

  • (1)許可番号は申請を受け付けた地方局等又は出張所の番号を使用する。
  • (2)許可に伴う在留カードの交付を代行する場合においては、受け付けた地方局等又は出張所の番号から当該処分記録をFEISで呼び出し、在留カードを発行して交付する。
  • (3)在留カードを発行しない場合は、証印の代行を行う地方局等又は地方局から申請を受け付けた地方局等又は出張所に処分確定の処理を依頼し、証印転記と同様に、申請を受け付けた地方局等又は出張所の番号から当該処分記録をFEISで呼び出し、原則として証印シールをもって証印する。
  • (4)証印の代行を行った地方局等又は出張所の長は、証印代行を依頼した地方局等又は出張所に対し、処分当日にファクシミリ等の適宜の方法により証印の代行処分を実施したことについて連絡する。

6 併記旅券に併記されている者の取扱い

(1)許可により新たに中長期在留者に該当し、又は、引き続き中長期在留者に該当する場合、申請人ごとに在留カードを交付し、併記旅券に併記されている場合で、あっても併記旅券には証印を行わない。

(2)前記(1)以外の場合

申請人ごとに証印シールをもって証印し、それぞれの証印欄外に次のとおり許可を受けた者の氏名を明示するものとする。

在留資格の変更、在留期間の更新、永住許可又は在留資格の取得(永住者の在留資格の取得を含む。)により新たに中長期在留者となった場合、券面の住居地欄に「未定(届出後裏面に記載)」と記載した在留カードを交付することとなるので、住居地を定めた日又は既に住居地を定めているときは当該許可日から14日以内に、住居地の市町村の長に対して在留カードを提出した上、当該市町村の長を経由して、法務大臣に住居地を届け出るよう申請人に対し指導する。

ただし、在留資格の取得により新たに中長期在留者となった場合で、あっても、当該在留資格取得許可申請に際して住民票の写し又は住民票記載事項証明書を提出しているときには、入管法第19条の8第1項の住居地の届出があったものとみなされ、在留資格取得許可の際に交付される在留カードに住居地が記載されることになるため、在留資格の取得許可申請に当たっては、住民票の写し又は住民票記載事項証明書の提出を求める。

第2 不許可・不交付

1 処分通知

(1)地方局等又は出張所の長は、在留資格変更許可申請又は在留期間更新許可申請に対し、不許可の決定を行ったとき又は請訓若しくは進達の結果不許可とすべき旨の回訓若しくは通知を受けたときは、速やかに不許可通知書(別記第11号様式)を作成した上、申請人の出頭を求めて交付し、又は郵送する。中長期在留者から在留資格変更許可申請又は在留期間更新許可申請に対して不許可とする場合には、申請人が所持する在留カード裏面の申請中である旨の記載に二重線を付する必要があるため、申請人の出頭を求める。

ただし、不許可の通知を直ちに行う必要があるときは、口頭又は電話で申請人に対し通知する。電話をもって出頭するよう通知した場合には、電話記録書を作成する。

(注)特例期聞が経過した後に申請人が出頭した場合又は摘発等により申請人の身柄を確保した場合は、原申請を受け付けた地方局等又は出張所の入国審査官又は入国警備官が不許可の通知を行うこととなるが、申請人が他の地方局等又は出張所の管轄又は分担地域に所在するときは、原申請を受け付けた地方局等又は出張所の依頼により、当該申請人の所在する地方局等又は出張所の入国審査官又は入国警備官が不許可の通知を行う。

(2)地方局等又は出張所の長は、永住許可申請又は在留資格取得許可申請に対し、進達若しくは請訓の結果不許可とすべき旨の通知若しくは回訓を受けたとき又は不許可の決定を行ったときは、速やかに不許可通知書を作成した上、申請人の出頭を求めて交付し、又は郵送する。ただし、不許可の通知を直ちに行う必要があるときは、口頭又は電話で申請人に対し通知する。電話をもって出頭するよう通知した場合には、電話記録書を作成する。

(3)地方局等又は出張所の長は、就労資格証明書の不交付の決定を行ったとき又は進達の結果不交付とすべき旨の通知を受けたときは、速やかに就労資格証明書不交付通知書(別記第12号様式)を作成した上、申請人の出頭を求めて交付し、又は郵送する。

ただし、不交付の通知を直ちに行う必要があるときは、口頭又は電話で申請人に対し通知する。電話をもって出頭するよう通知した場合には、電話記録書を作成する。

(4)不許可の通知を行ったときは、不許可事実及び不許可通知年月日(郵送によるときは発送年月日)を電算入力する。

(5)就労資格証明書の不交付の通知を行ったときは、不交付事実及び不交付通知年月日(郵送によるときは発送年月日)を進行管理簿(速報版)に記載する。

(6)申請人の出頭を求めて不許可通知を行った場合又は不許可通知を行った後に申請人が出頭した場合、資格外活動の許可申請及び就労資格証明書交付申請を除き、中長期在留者以外の者に対しては旅券上の申請受付印の近くに「不許可」と表示し、中長期在留者に対しては所持する在留カード裏面の「在留資格変更許可申請中」又は「在留期間更新許可申請中」の記載に黒色の二重線を付して、同記載を抹消する(「不許可」の表示は行わない。)。

2 特例期間内に処分通知を行う場合の取扱い

在留資格の変更許可又は在留期間の更新許可の申請を受け付け、特例期間内に不許可処分通知を行う場合は以下のとおりとする。

(1)申請内容変更措置
ア 通知書の手交

申請人の出頭を求めて「通知書」(別記第21号様式)を手交し、原申請内容では許可できない旨を告知する。

イ 出国準備期間の付与

前記アの告知に際し、申請人に対し、原申請の内容を、出国準備を目的とする在留資格の変更許可申請に変更する意思の有無について確認し(注1)、申請人から原申請の申請内容を、出国準備を目的とする在留資格の変更許可申請に変更する旨の意思表示が行われた場合は、「申請内容変更申出書」(施行規則別記第30号の3様式)を提出させ(注2)、出国準備期間として在留資格「特定活動」(注3)への在留資格変更を許可する。この場合において、特段の事情がないときは、30日以下の在留期間を決定する(新たな特例期間が生じないようにするため「1月」の在留期間は決定しない。)(注4)。

また、中長期在留者に対する許可の結果、当該者が中長期在留者でなくなるときは、在留カードを返納させ、穿孔処理によりICの無効化を行った上で申請人に還付する。

(注1)出生又は国籍喪失により入管法第22条の2第1項の規定の適用を受ける者で住民票のあるものについては、3月を超える在留期間が決定されない限り、許可の日をもって当該者の住民票は消除される。

(注2)「申請内容変更申出書」をもって新たな在留資格の変更許可申請番号を入力するが、受付年月日は原申請の受付年月日とする。

(注3)指定する活動は、「本邦から出国するための準備のための活動及び日常的な活動(収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を除く。)」

(注4)特段の事情があるとしても、3月を超える在留期間は許可しない。また、在留期間を「90日」、「91日」、「92日」とした場合、始期によっては3月を超える場合があるため、在留期間をこれらの日とする許可はしない。

(2)申請内容の変更を申し出ない場合の措置

ア 前記(1)の措置に基づいて原申請内容では許可できない旨告知し、出国準備を目的とする在留資格の変更許可申請に変更する意思の有無を確認したが、変更する意思を有さないとして「申請内容変更申出書」を提出しない者については、不許可処分を行うこととし、不許可通知書を交付して、不許可とする旨を告知し、警備部門に引き渡す。なお、必要に応じて告知状況に係る面接記録書を作成する。

イ この場合、不許可通知書の日付欄下に、告知を行った時聞を記入することとする。

ウ 中長期在留者で、あった者については、在留カードを返納させ、穿孔処理によりICの無効化を行った上で申請人に還付する。

エ 特例期間は不許可告知を行った時点(不許可通知書の日付欄下に記入した時間)をもって満了することになる。

(3)難民認定申請(審査請求を含む。以下この項において同じ。)中の場合の措置(注1)

ア 難民認定申請中の者に対しては、申請人の出頭を求めて、原申請内容では許可できない旨を告知する。

イ 前記アの告知後、下記ウに該当する場合を除き、不許可通知書を交付して、不許可とする旨告知L、警備部門に引き渡す。

この場合、不許可通知書の日付欄下に、告知を行った時間を記入することとする。

また、中長期在留者で、あった者については、在留カードを返納させ、穿孔処理によりICの無効化を行った上で申請人に還付する。

なお、特例期間は不許可告知を行った時点(不許可通知書の日付欄下に記入した時間)をもって満了することになる。

ウ 前記アの告知に際し、申請人から出国を希望する旨の申出があり、同申出に信ぴょう性があると認めた場合は、前記(1)イの措置を執る(注2)。

なお、上記の措置を執った場合は、必要に応じて告知状況に係る面接記録書を作成する。

3 退去強制手続中の場合の措置

(1)退去強制手続が開始されている場合で、在留資格変更許可等の申請を行った者について、当該申請の不許可を決定したときは、申請人に出頭を求める前に警備部門へ連絡し、警備部門又は審判部門と調整した結果、違反調査等により退去強制事由(入管法第24条第4号ロを除く。)に該当することが明らかであるときは、前記2(1)の措置を執ることなく、原申請を不許可処分として不許可通知書を交付し、告知した上で警備部門へ引き渡す。

(2)申請人に不許可を告知したときは、不許可通知書の日付欄下に、告知を行った時間を記入することとする。

(3)前記(1)に該当する者が中長期在留者であった場合には、在留カードを返納させ、穿孔処理によりICの無効化を行った上で申請人に還付する。

(4)特例期間は不許可告知を行った時点(不許可通知書の日付欄下に記入した時間)をもって満了することになる。

4 申請人が刑事手続中又は刑が確定し刑事施設に収容中の場合の取扱い

(1)可能な限り在留期間内に処理することとするが、やむを得ず特例期間内に処理を行う場合は、申請人に係る刑事裁判の進行状況から、概ね1か月以内に出国することが見込めない時は、当初の申請に対し不許可の処分をし、不許可通知を行う。この場合、当該外国人に係る身分事項等を警備部門に通報する。

また、刑が確定し刑事施設に収容中で、概ね1か月以内に出国することが見込めず、かつ、当該刑が退去強制事由に当たらない場合も同様に取り扱う。

(2)前記(1)に該当しない場合は、次のいずれかの方法により申請内容変更申出書を提出する手続を行うかどうかを確認する。

ア 通知書(別記第21号様式)及び申請内容変更申出書(施行規則別記第30号の3様式)を送付する。

なお、勾留等されている者に対し、通知書を送付する場合は、申請人を勾留等している施設の職員に対し、申請人への交付方を依頼することとし、当該申出の提出期限(特例措置期間の満了する日の概ね2週間前まで)を定めて通知するものとする。

イ 施行規則に定める取次者である申請人の親族の出頭を求める等して申請人からの申出書の提出を代わって行うかどうか確認する。

ウ 前記イによっても申出を行うかどうか確認できないときは、入国審査官が勾留先等に赴き、申出を行うかどうか確認する。

(3)前記(2)の結果、同申出書の提出がないときは、速やかに(特例期間の満了する日の1週間前まで)当初の申請に対し不許可の処分をし、不許可通知書を送付する。また、同申出書の提出があったときは、速やかに出国準備のための「特定活動」の在留資格をもって許可を行う。

(注)不許可通知書を送付する場合、警備部門へも当該外国人に係る身分事項を通報する。

(4)出国準備のための「特定活動」の在留資格への変更許可は、必ず刑の言渡前又は言渡後1週間を経過する日までに行うものとし、この場合、出国準備期間は上訴期間の満了の日までとする。

5 在留資格取消手続中の場合の取扱い

在留資格取消手続において意見聴取通知書が送達され、又は通知されており、入管法第22条の4第1項第1号又は第2号の取消事由に該当していることが明らかである場合は、可能な限り速やかに在留資格取消手続を進め、特例期間の満丁目までに同手続を完了させる。

なお、特例期間内において、特例期間の満了日までに在留資格取消手続が完了しない場合(入管法第22条の4第1項第1号又は第2号の取消事由に該当していることが明らかである場合に限る。)は、前記2(1)の措置を執ることなく、原申請を不許可処分として不許可通知書を交付し、告知した上で警備部門に引き渡す。その際の取扱いは、前記3(2)から(4)までを準用する。

6 既に出国準備期聞が付与されている場合の取扱い

現在留資格が「特定活動(出国準備期間)」である者から、在留資格変更許可申請がなされた場合は、可能な限り在留期間内に処分する。

7 不許可・不交付理由の記載

不許可・不交付の処分を行う場合は、後記(注)の「不許可(不交付)理由の記載例」を参考にして可能な限り具体性をもってその理由を記載するが、第9編「入国事前審査」第4章第1節と同様の事項に留意する。また、通知書(別記第11号様式から11号様式の4及び別記第21号様式)への不許可の理由及びその根拠となる事実を記載するに当たっては、それらを申請人に対し明確に通知するため、「理由」と「根拠となる事実」の2つの項目をそれぞれ別に設け、後記(注)の記載例等にしたがって記載する。

(注)不許可(不交付)理由の記載例
① 在留資格変更許可申請の場合

(理由)「○○」の在留資格への変更を適当と認めるに足りる相当の理由があると認められません。

在留資格認定証明書交付申請に係る理由として列挙されているもの(第9編「入国事前審査」第5章第2節第1)のほか、次の例にならって根拠となる事実を「(根拠となる事実)」として別途付記する。なお、在留資格認定証明書交付申請に係る記載例を用いる場合は、「本邦に上陸しようとする外国人」を「あなた」に書き換える。

a あなたのこれまでの在留状況(出席状況等)から、あなたが申請に係る活動を行うと認められません。

b あなたの在留資格の変更申請は、やむを得ない特別な事情に基づくものと認められません。

(注)「短期滞在」の在留資格からの変更の場合。

c 基準省令の「○○」の在留資格に係る基準第○号○に適合すると認められません。

(注)該当する基準を列挙し又は同基準の写しを添付する。これらによっても不明瞭な場合は、在留資格認定証明書交付申請の記載例を参考として、具体的に理由を記載する。

d あなたの在留状況が良好とは認められません。

(注)法令違反等がある場合に限る。

e その他参考記載例

(a)「技術・人文知識・国際業務」

就職先の職務内容と専修学校における修得内容に関連性が認められません。

(注)「専門士」の称号を有する者からの申請の場合。

(b)「留学」

ⅰあなたの過去の在学状況が良好と認められません。

ⅱ あなたが資格外活動許可を受けずに報酬を受ける(又は収入を伴う事業を運営する)活動に従事していたことが認められます。

(c)「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」

あなたは、同居し互いに協力し、扶助を行う配偶者としての実態を有していると認められません。

(注)婚姻関係が明らかに破綻している場合等に限る。

(d)「定住者」

ⅰ あなたが「定住者」の在留資格について法務大臣があらかじめ告示で定めた地位を有していると認められず、また、他に本邦への居住を認めるに足りる特別な理由も認められません。

ⅱ あなたが日本人の実子を監護・養育していると認められません。

(e)「特定活動」

ⅰ あなたの難民認定申請(平成○年○月○日付け難民認定申請番号第○○号/平成○年○月○日付け審査請求番号第○○号))に関し、処分(裁決)がなされており、あなたが申請に係る活動を行うと認められません(申請番号は、現在申請中の申請の番号)。

ⅱ あなたは、正当な理由なく迫害事由について同様の主張を繰り返して、再度難民認定申請を行っています。

(注)就労を許可しない場合

ⅲ あなたは、本邦において利用可能な自己資産額に鑑みて、生計を立てることが困難であり、かつ、本邦又は海外のあなたの親族、友人、組織、身元保証人等から生活支援を受けることができない状況にあるとは認められません。

(注)就労を許可しない場合

ⅳ あなたは、難民条約上の迫害事由に明らかに該当しない事情を繰り返し主張して、再度難民認定申請を行っています。

(注)在留を許可しない場合

ⅴ あなたは、正当な理由なく迫害事由について同様の内容を繰り返し主張して、今次難民認定申請を含めて3度以上の申請を行っています。

(注)在留を許可しない場合

② 在留期間更新許可申請の場合

(理由)在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由があると認められません。

在留資格認定証明書交付申請に係る理由として列挙されているもののほか、在留資格の変更許可申請に係る理由又は次の例にならって根拠となる事実を「(根拠となる事実)」として別途付記する。なお、在留資格認定証明書交付申請に係る記載例を用いる場合は、「本邦に上陸しようとする外国人」を「あなた」に書き換える。

a これまで本邦において、「○○」の在留資格に該当する活動を行っていたと認められません。

b 当初の入国(在留)目的は達成されて(終了して)おり、引き続き在留を認めるべき事情は認められません。

c その他記載例

(a)「興行」

ⅰ あなたが出演先等で接客行為を行っていたことが認められます。

ⅱ あなたが出演先として認められた店以外の店に出演していたことが認められます。

(b)「留学」

ⅰ あなたの過去の在学状況が良好と認められません。

ⅱ あなたが資格外活動許可を受けずに報酬を受ける(又は収入を伴う事業を運営する)活動を行っていたことが認められます。

(c)「研修・技能実習」

ⅰ 研修計画に沿った適正な研修(技能実習)が実施されていると認められません。

ⅱ 研修(技能実習)生の受入れは、主として開発途上国等の人材育成、技術移転を通じ、これらの国の社会・経済の発展に寄与することを目的としているところ、更に研修(技能実習)を継続することがかかる研修(技能実習)制度の趣旨に合致すると認められません。

(注)1年を超えて研修又は技能実習(技能実習移行対象職種を除く。)を行うことを目的とする更新許可申請が行われた場合。

ⅲ 過去の在留状況等から、本邦において真に「研修」(「技能実習」)の在留資格に該当する活動を行うものと認められません。

(d)「特定活動」

ⅰ これまで本邦において、「特定活動」の在留資格について、法務大臣があらかじめ告示をもって定めた活動を行っていたと認められません。

ⅱ あなたの難民認定申請(平成○年○月○日付け難民認定申請番号第○○号/平成○年○月○日付け審査請求番号第○○号))に関し、処分(裁決)がなされており、あなたが申請に係る活動を行うと認められません(申請番号は、現在申請中の申請の番号)。

ⅲ あなたは、正当な理由なく迫害事由について同様の主張を繰り返して、再度難民認定申請を行っています。

(注)就労を許可しない場合

ⅳ あなたは、本邦において利用可能な自己資産額に鑑みて、生計を立てることが困難であり、かつ、本邦又は海外のあなたの親族、友人、組織、身元保証人等から生活支援を受けることができない状況にあるとは認められません。

(注)就労を許可しない場合

ⅴ あなたは、難民条約上の迫害事由に明らかに該当しない事情を繰り返し主張して、再度難民認定申請を行っています。

(注)在留を許可しない場合

ⅵ あなたは、正当な理由なく迫害事由について同様の内容を繰り返し主張して、今次難民認定申請を含めて3度以上の申請を行っています。

(注)在留を許可しない場合

③ 永住許可申請の場合

ⅰ 出入国管理及び難民認定法第22条第2項第○号に適合すると認められません。

(注)法第22条の写しを添付する。

ⅱ あなたのこれまでの在留実績からみて、出入国管理及び難民認定法第22条第2項本文の要件に適合すると認められません。

(注)在日年数不足等の場合。

④ 再入国許可申請の場合

(理由)再入国の許可を認めるに足りる相当の理由があるとは認められません。

(根拠となる事実)難民認定手続に支障があるおそれがあり、再入国許可を適当と認めるに足りる相当の理由があると認められません。

⑤ 就労資格証明書交付申請の場合

(理由)収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行うことができる在留資格を有しているとは認められません。

(根拠となる事実)あなたの在留資格「○○」で行うことができる活動は、(「本邦において行うことができる活動」を記載)であり、収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行うことはできません。

(注)現に有する在留資格が非就労資格であり、かつ、資格外活動許可を受けていない場合にのみ不交付とする。なお、就労資格又は就労可能な身分を有している場合で、現に行っている活動又は行おうとする活動の適否について就労資格証明書に記載方依頼があった場合の対応については、後記第3章第3節を参照すること。

8 警備部門の長等への連絡

首席審査官等は、次の場合に警備部門の長等へ連絡を行う。

(1)在留資格変更許可等の申請に対し、特例期間内又は入管法第22条の2第1項に規定する在留できる期間経過後に出国準備のための在留資格「特定活動」への申請内容変更措置を執らずに不許可処分を行ったときは、不許可処分連絡書(別記第14号様式)により警備部門の長等に連絡する。

(2)在留資格変更許可等の申請に対する処分の決定を行い、出頭通知を行ったにもかかわらず、申請人が出頭せず特例期間を経過したときは、連絡書(別記第14号の2様式)により警備部門の長等に連絡する。

9 訴訟担当部門との連絡・調整

首席審査官等は、処分を行う場合において、行政訴訟の提起が予想される案件、過去の処分に対する行政訴訟が提起されている案件等必要と認められる場合には、申請人に対する処分通知に先立ち、行政訴訟に関する関係機関との連絡調整を担当する部門と以後の対応について協議するなどして、連絡・調整を図る。

10 不許可(不交付)処分の通知の代行

地方局等又は出張所の長は、他の地方局等又は出張所の長の依頼に基づき、次により不許可(不交付)処分の手続を代行することができる。

(1)不許可(不交付)処分を依頼する地方局等又は出張所の長は、依頼先の地方局等又は出張所の長に不許可通知書(又は就労資格証明書不交付通知書)を送付する。不許可通知書の通知年月日は空欄とする。

(2)依頼を受けた地方局等又は出張所の長は、申請人の出頭を求め、通知年月日を記載した上、不許可通知書を交付する。この場合、不許可通知書の欄外に「○○入国管理局(支局又は出張所)代行」と付記し、「○○」に処分を代行した地方局等又は出張所の名称を付記する。

11 取消訴訟の提起に関する事項の教示

不許可又は不交付の通知を行う際は、行政事件訴訟法第46条の規定に基づき、申請人に対し、取消訴訟の提起に関する事項の教示書(別記第10号様式)を交付して、取消訴訟の被告とすべき者及び取消訴訟の出訴期間について教示しなければならない。

(1)対象となる処分(本編に関するもの)

ア 在留資格変更許可申請不許可処分、在留期間更新許可申請不許可処分、在留資格取得許可申請不許可処分(永住者の在留資格取得許可申請不許可処分を含む。)、永住許可申請不許可処分、資格外活動許可申請不許可処分、資格外活動許可取消処分、再入国許可不許可処分、再入国許可取消処分

(注)申請内容どおりでは許可できない旨の通知は取消訴訟の対象となる処分には当たらないので、教示は行わない。その後に不許可処分等をしたときに教示を行う。

イ 行政法の一般法理に基づき行う職権取消等の不利益処分

(2)教示に関する手続について
ア 窓口等において直接行う場合

前記(1)に係る不利益処分の通知書の交付による通知とともに、教示書を2部作成の上契印し、うち1部を被通知者に手交するとともに、控えの教示書の余白部分に被通知者から受領年月日及び受領の署名を徴する。

被通知者が署名をしない旨申し立てたときは、教示書の写しの余白部分に、その旨を記載するとともに入国審査官認証印を押印する。

控えの教示書については、当該不利益処分に係る書類とともに保管しておく。

イ 郵送により通知する場合

前記アに準じ、不利益処分の通知書に教示書を1部同封し、控えを保管する。また、送付する封書の宛名の写しを作成し、保管しておく。

第3 終止

次のいずれかに該当する事実が判明したときは、直ちに審査を終止し、終止事実、終止年月日及び事由を電算入力する。なお、就労資格証明書の終止にあっては、進行管理簿(速報版)の備考欄等に終止年月日及び事由を記載する。

  • 1 申請人が単純出国したとき(特例期間に単純出国した場合を含む。)
  • 2 申請人が死亡したとき
  • 3 申請人が申請を取り下げたとき
  • 4 申請人が日本国籍を有することが判明したとき
  • 5 申請人が日米地位協定該当者又は国連軍地位協定該当者であることが判明したとき
  • 6 申請人が再入国許可(みなし再入国許可を含む。)の有効期間内に再入国しなかったとき(在外公館において再入国許可(みなし再入国許可を除く。)の有効期間の延長を受け得る場合があるので、再入国許可の有効期間の経過をもって直ちに終止とすることのないよう留意する。)
  • 7 在留資格の変更許可又は在留期間の更新許可の申請と並行して永住許可申請が行われ、在留資格変更許可申請等に対する処分を行うことなく永住を許可したとき(終止の対象は当該在留資格変更許可申請等)

第4 電算入力のための処分記録の送付

1 出張所の長は、資格外活動の許可、在留資格の変更許可、在留期間の更新許可、永住許可、在留資格の取得許可又は再入国の許可の申請を受け付けたときは、当該申請書の写しを、また、許可の処分、不許可通知又は終止の処分を行ったときは、その処分記録を所属する地方局等に送付する。

2 処分記録の送付は、処分記録送付書(別記第15号様式)に申請書の写し(官用欄のコード記入を終えたもの)を添付して行う。

3 1に基づく処分記録の送付は、速やかに、申請書を資格外活動の許可、在留資格の変更等処分の種類別に区分し送付する。なお、証印代行案件及び不許可(不交付)通知の代行案件の処分記録の送付は、代行を依頼した出張所の長が行う。

4 出張所の長は、処分記録送付済みの案件について記入した事項に誤りがあったことが判明したときは、速やかにその旨を所属する地方局等に報告する。報告を受けた地方局等の長は、当該記録が既に電算記録に入力されている場合には、処理要領集に定める「記録変更(訂正)依頼書」をもって本省(出入国情報管理室)に訂正依頼する。

Pocket