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「留学中・家族滞在中にアルバイトをしたい」

「異なる業種で副業をしたい」

このような要望を解決するために、資格外活動許可・資格外活動許可申請書について少し知っていきましょう。

この記事では現在有する在留資格に認められた活動内容の他に、「資格外活動」を追加する為に理解するべき7つの基本について解説します。その7つの基本は下記のとおりとなっていますので、興味のある方はこのまま読み進めてください。

  • 資格外活動許可とは
  • 資格外活動の範囲と具体例
  • 資格外活動許可の禁止事項
  • 資格外活動許可の種類-包括許可と個別許可-
  • 資格外活動の活動時間(就労時間)について
  • 資格外活動許可の期限と更新
  • 資格外活動許可申請の方法

また、下記キーワードについても気になった方はこのまま読み進めてください。

  • 在留資格とは
  • 在留カードについて
  • 臨時報酬の資格外活動
  • 風俗関係・単純労働

資格外活動許可とは

資格外活動とは、現在のビザ(在留資格)に認められた活動以外の活動の事です。

現在のビザ(在留資格)に認められている活動に加えて、それとは異なる活動を追加的に行いたい場合には、資格外活動許可の申請をしなければなりません。資格外活動許可の申請をするということは、正確には入国管理局に資格外活動許可申請書を提出するということになります。

申請書が受理されれば資格外活動許可証が交付されるので、それによって資格外活動が行える事となります。なお在留カードを有している方は、在留カードの裏面に資格外活動許可を受けている旨が記載されます。

「ビザ(在留資格)とは何か」について知りたい方は、ビザ(在留資格)の手続きについて知るべき最も基本的な3つの事ービザ(在留資格)とはにアクセスしてください。

在留カードについて詳しく知りたい方は、在留カードについて知っておきたい7つのことにアクセスしてご確認ください。

資格外活動許可が必要となる場面は、例えば下記のような場合が該当します。

  • 日本への留学生がアルバイトをしたい場合
  • 技術者として働いている外国人が、レストランでのアルバイトや翻訳の副業をしたい場合
  • 「家族滞在」の在留資格を有する外国人が、家計の助けにアルバイトをしたい場合
  • 「文化活動」の在留資格を有する外国人が、アルバイト先を変更する場合(個別許可)

なお、許可を得ずにビザ(在留資格)に認められて活動以外の就労を行うと、不法就労となってしまい、最悪の場合は在留資格の剥奪また強制送還に該当する場合もあります。

資格外活動許可とは

資格外活動の範囲と具体例

資格外活動の定義は、「在留資格で認められた活動以外の新たな活動が、収入・報酬を受ける活動である事」とされています。

では具体的にどのような活動が資格外活動ではないのか、またどのような場合に資格外活動許可が認められないのでしょうか。

付与された在留資格と同種の活動について

ビザ(在留資格)で認められている活動の範囲内の活動は資格外活動ではありません。

したがって「人文知識・国際業務」のビザ(在留資格)を持ち、通訳の仕事をしている外国人の方が、休日に報酬を受けて翻訳のアルバイトをする場合は資格外活動ではありません。

就労でない活動について

就労でない活動は資格外活動ではありません。

例えば「技術」のビザ(在留資格)を持っている外国人が技術者として働いている一方、夜間は勉強のために大学へ通うような場合は資格外活動ではありません。

臨時報酬について

単なる臨時報酬を受ける活動は資格外活動ではありません。

継続した業務ではない講演・催物・依頼・教育・研究補助活動などをすることによって、臨時に報酬や謝金を受ける活動は資格外活動ではありません。

活動制限がないビザ(在留資格)をもっている場合

「日本人の配偶者等」や「永住者」などのビザ(在留資格)は、身分や地位に基づく在留資格であり、在留活動の範囲に制限を設けていません

従って、就労に制限はないので資格外活動許可の申請は不要であり、家計を助ける為のアルバイトや単純労働も可能です。

但し、風俗関係などの就労については、在留資格更新において不許可となることがありますのでご注意ください。風俗関係とは、スナック、バー、ナイトクラブ、パブ、パチンコ店、麻雀店、ゲームセンターなどの事であり、その場所での清掃員や雑用等のような直接的に風俗業務に関わらない仕事でも風俗関係での就労に該当します。

資格外活動許可が認められない場合

「短期滞在」ビザ(在留資格)を有する外国人の場合、原則は資格外活動許可が認められません。

資格外活動許可の禁止事項

  1. 現在有する在留資格の活動を妨げる資格外活動でないこと。
  2. 現在有する在留資格の活動を維持継続していること。
  3. 資格外活動が単純労働でないこと。
  4. 資格外活動が風俗関係に従事・公序良俗に反する活動・法令で禁止されている活動でないこと。

現在持っているビザ(在留資格)の活動を行わないで、資格外活動をメインとして行っている場合は、次回の在留期間更新において不許可となる可能性が大きいです。さらに在留期間更新前にこの事実が発覚すれば、在留資格取消を受ける場合もあります。

例えば「技術」のビザ(在留資格)をもつ外国人が、勤務先を辞めて大学へ通っているような場合がこの例にあたります。

単純労働とは、特別な技術や知識を必要としない労働や、技術や知識が同一の作業の反復のみによって習得できるものとされます。例えば工場や建設現場などで特別な判断を要さない単純作業がこれにあたります。

風俗関係への従事については前述したとおりです。

上記の内容に違反すれば、本来の在留資格の剥奪や強制送還の対象に該当してしまうので必ず守って活動するようにしましょう。

資格外活動許可の種類-包括許可と個別許可-

資格外活動の許可には、二種類あります。1つは資格外活動の許可に係る活動を活動場所までも個別具体的に指定する「個別的許可」であり、もう一つが包括的に資格外活動のみを許可する「包括的許可」があります。

個別的許可の場合は資格外活動許可とアルバイト先や副業の内容がセットになっており、アルバイト先を変更する場合には再度申請が必要です。

包括的許可の場合は活動内容だけを包括的に申請できますので、アルバイト先などの就労先は未定のままで問題ありません。包括的許可が受けられるビザ(在留資格)は、「留学」・「家族滞在」・大学等の卒業後に就職活動を行うための「特定活動(継続就職活動)」のみとなっております。

それ以外の在留資格については、個別的許可になります。

資格外活動の活動時間(就労時間)について

資格外活動許可を得たことによってアルバイトや副業が行えるようになりますが、活動時間(就労時間)が無制限ではありません。

在留資格の種類によって下記のように資格外活動の活動時間が決められております。

「留学」ビザ(在留資格)
  • 夏休みや冬休みなどの長期休暇時は、1日8時間以内
  • それ以外は、1週間28時間以内
「家族滞在」「特定活動(継続就職活動)」ビザ(在留資格)
  • 1週間28時間以内
その他のビザ(在留資格)
  • 個別に決定

資格外活動許可の期限と更新

資格外活動許可の期限は現在有しているビザ(在留資格)の期限と同じです。従って、在留資格を更新する時点で資格外活動を継続したい場合は、在留期間更新許可申請と資格外活動許可更新の両方をする必要があります。

資格外活動許可と在留資格更新は共に満期の3ヵ月前から出来るので、同時に申請することも可能です。

資格外活動許可の申請方法

資格外活動許可の申請方法について基本的な事項を解説します。

資格外活動許可の申請者・許可が下りるまでの期間・申請先・手数料・必要書類・申請時期について知りたい方は読み進めてください。

資格外活動許可の申請者

1.外国人本人
2.代理人
  • 申請人本人の法定代理人です。
  • 法定代理人とは、外国人本人が未成年なら、その親。被補助人なら補助人です。
3.申請取次者(本人や代理人が日本に滞在している場合に限られる)
  • 本人から依頼を受け、本人や代理人の代わりに申請を提出できる者です。
  • 申請取次者は、弁護士・行政書士・特定機関の団体や職員です。
  • 弁護士と行政書士は申請を取り次ぐ事が出来る資格を有するもののみです。
  • 特定機関の団体や職員とは、外国人本人が働いている機関の職員、外国人本人が受けている研修機関の職員と団体、外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員で、地方入国管理局長から申請取次の承認を受けている者

資格外活動許可が下りるまでの期間

標準処理期間は2週間~2か月です。

資格外活動許可の申請先

外国人が住む場所を管轄する地方入国管理局。

入国管理局のHP-組織・機構-にて地図から検索できますので、そちらで「管轄又は分担区域」をご確認ください。

また下記の全てを満たす者に限っては、出入国時の上陸審査を通過した後に出入国港において、資格外活動許可の申請ができます。

  • 再入国許可による再入国者を除く新規入国者である
  • 在留期間が3ヵ月を超える「留学」の在留資格を有する者
  • 在留カードが付与されている、もしくは後日付与される予定の者

資格外活動許可に係る手数料

必要ございません。

資格外活動許可の提出書類

  • 資格外活動許可申請書
  • 在留カードもしくは外国人登録証明書(交付を受けている者のみ)
  • 在留カードの写しもしくは外国人登録証明書の写し(外国人本人が申請する場合以外のみ)
  • パスポートまたは在留資格証明書(提示できないときはその理由書
  • 身分を証する書類(申請取次者が申請する場合のみ)

法務省HP-資格外活動許可申請-から、申請書様式のダウンロードができます。

資格外活動許可の申請時期

資格外の新たな活動を開始するまでにしてください。

資格外活動許可申請

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